ワシントン・ウィザーズの八村塁は、現地11月29日の敵地ロサンゼルス・レイカーズ戦で現代最高のプレイヤーであるレブロン・ジェームズと対戦。試合には103-125で敗れたが、チーム2位の16得点、8リバウンドを挙げて存在感を示した。 試合前、八村とレブロンのマッチアップについて問われたスコット・ブルックスHC(ヘッドコーチ)は「グッドラック。とりあえず見ているよ(笑)」と冗談を交えつつ、日本出身のルーキーに期待を寄せていた。 「どんなことがあっても塁は精一杯やってくれる。競争意識が非常に高い。今日は非常にタフだ。レイカーズはものすごくいいチーム。(NBAで)最も強いチームだ。MVPに相応しい選手が2人(レブロンとアンソニー・デイビス)いる。レブロンは史上最高の選手かもしれない。バスケIQがかけ離れていて、誰よりもゲームプランを把握している選手だ」 八村はそんなリーグを代表するスーパースター相手に真っ向から勝負を挑んだ。第1Q(クォーター)にはレブロンを速攻で振り切ってレイアップに成功。さらに、ゴール下ではひと回り大きい相手に当たり負けせずにシュートをねじ込み、ステイプルズ・センターに駆け付けたレイカーズファンの度肝を抜いてみせた。 もちろん、常時主導権を握れていたわけではない。序盤こそ身長5cm・体重11kg差あるデイビスのポストプレイに対して粘り強く守り、得点させなかったが、目の前でデイビスとレブロンに3ポイントシュートを決められ、果敢に仕掛けたドライブからの攻撃をデイビスに背後からブロックされてコートに打ち付けられる場面もあった。 それでも八村は今季NBA入りしたばかりのルーキーだ。試合には22点差の大敗を喫したが、リーグトップクラスのスター相手に残した16得点、8リバウンドという成績は、数字以上の価値があると言っていいだろう。ブルックスHCも八村の働きに及第点を与えた。 「塁は今日すごく良かったと思う。残念ながら第4Qには出場機会がなかったけど、初めてレブロンと対戦したにもかかわらず、堂々とプレイした。レブロンはおそらく世界中みんなのヒーロー。オンコート、オフコートの姿勢、ずば抜けた安定性、MVPを何度受賞していてもおかしくない。恥じることはないし、本当によくやってくれた。ただ、チームとしては及ばなかった」 八村自身、レブロンを「リーグでベストプレイヤー」と称したうえで、マッチアップで得点したことについては、「大きな自信になる」と語っている。12月1日には、カワイ・レナードとポール・ジョージを擁するロザンゼルス・クリッパーズと対戦予定。NBAを代表するスター相手に自信をつけ、成長を続けたら――。そのポテンシャルは無限大の可能性を秘めている。