ウィザーズ公式特派員・ザック生馬氏を直撃! “八村フィーバー”の舞台裏は

ワシントン・ウィザーズの八村塁は、日本人選手として史上初めてドラフト1巡目で指名され、ルーキーながら開幕から全試合にスタメン出場。平均26.8分間プレイして12.1得点、5.3リバウンド、1.5アシストの成績を残している(現地11月28日現在)。 オールスター出場7回を誇るラマーカス・オルドリッジ(サンアントニオ・スパーズ)、優勝経験を持つストレッチ4のケビン・ラブ(クリーブランド・キャバリアーズ)、過去にオールディフェンシブチームに選出されているポール・ミルサップ(デンバー・ナゲッツ)らリーグを代表するビッグマンと対峙し、日々成長を続けている八村。その奮闘ぶりを、ウィザーズの公式特派員として試合前後のリポートを行うなど最も間近で見てきたザック生馬氏を直撃した。

日本では八村選手のニュースを多くのメディアが連日報じています。アメリカの首都ワシントンD.C.をはじめ、現地で“八村フィーバー”を実感することはありますか?

僕もウィザーズに密着するのは今年からになります。昨シーズンとの比較はできないですが、ワシントンD.C.での日本メディアの多さが注目度の高さを示していると思います。あとは、ファンの数ですよね。アウェーゲーム、例えばオクラホマシティのように決して人口のそこまで多くない都市でも、まるで日本人コミュニティの人々が全員アリーナに観戦に来ているかのような雰囲気で、どの街に行っても日本人ファンの方がたくさんいる。アメリカ各地の日本人にインスピレーションを与えていると感じます。

チームに密着してきたザックさんの目には、八村選手はどのように映っていますか?

すごく堂々としていて、本当に21歳なのかと疑ってしまうくらいです(笑)。趣味の話をすればテレビやゲームの話題が出て、他の青年と変わらないんだなと思う部分もあります。ただ、日本から大きな期待を寄せられて当然プレッシャーもあるはずなのに、まるでプレッシャーを感じていないかのように常に平常心。あまりにもカリスマ性があるので、インタビューをしていても自分のほうが年下なのかと錯覚してしまいます(笑)

NBAと同じ北米4大スポーツの一つであるNFLの現場レポーターとして、多くの選手を見てきたなかでも、若手スーパースターになる素養は備えている、と。

そうですね。例えばメディア対応です。大学から注目されている選手は、注目度が高ければ高いほど責任を持って取材に応じています。八村選手を見ていていつも感心するのは、何を聞かれるのか準備する余裕はないはずなのに、まるで質問が分かっていたかのようにすぐに答えてしまう。回答の瞬発力もエリートアスリートなんだと感じます。これまで見てきたNFL、特に花形のクォーターバックは大きな会見でも自分の言いたいことをしっかりとコミュニケートできている。その点で、八村選手には4大スポーツのスター選手と類似点があると思います。

開幕から全試合スタメン出場、しかもサンアントニオ・スパーズのラマーカス・オルドリッジのようなベテランのスター選手と渡り合っている部分でもルーキー離れしていますよね。

たしかに、オルドリッチやレブロン・ジェームズのようなスターが相手であろうと、必ず「楽しみです」と言うんですよね。NBA選手はみんな競争意識が高いから、「自分がこのポジションでは一番上手い選手だ」という自信があるからこそこのレベルにいると思いますが、不安や動揺は一切感じられません。すべてを楽しみに、ポジティブに捉えているところが凄いと思います。

ザック生馬氏が「本当に21歳なのかと疑ってしまう」と語るほど堂々としている八村。すべてをポジティブに捉えているからこそなのだろう

平均12.1得点、5.3リバウンド、1.5アシストという成績はどのように捉えられていますか?

期待が大きいだけに、一桁得点だった時は少し残念に思うファンの方がいるかもしれません。20点を超えていても、リバウンドは5本以下だったかと物足りなさを感じるゲームもあるかもしれません。でも、ルーキーでこれだけやれている点は本当に素晴らしい。NBAではルーキーがどれだけスタートが良かったり活躍できていても、継続する、安定させることが一番難しいと言われます。インディアナ(・ペイサーズ)戦では無得点、ミネソタ(・ティンバーウルブズ)戦ではシュートが11本中2本成功で4得点と苦戦した試合はありましたけど、必ずその後にバウンスバック(挽回)できています。平均12得点、5リバウンドは普通に考えれば、4番、あるいは3番のいちロールプレイヤーとして十分に活躍できていると思います。

早くもチームに溶け込んでいる姿も印象的です。

八村選手はウィザーズのルーキーでは指名順位が一番高い。他の選手は全試合帯同しているわけではないので、ルーキー特有の雑用係としての役割も担っていて、チキンサンド調達係をよくやっています。アイザイア・トーマス選手から「またやらかしたら罰だぞ」と言われたり、ジョン・ウォール選手やブラッドリー・ビール選手にもすごく可愛いがられていて、ニックネームも「ルールー」「ルースキー」など、塁にちなんだ名前ができ上がっています。 あと、イアン・マヒンミ選手のお父さんはベナン系フランス人で、八村選手のお父さんもベナン人なので、「今度、塁を呼んでベナン料理を作ってあげるよ」と誘われていました。インタビュー中には若手のクリス・チオーザ選手やアイザック・ボンガ選手に笑われたり、いい意味でチームの中で一番のいじられキャラだと思います。

今後、どのような選手になって欲しいと期待しますか?

シーズンが終わって平均13~14得点、5~6リバウンドだったとして、成績だけ見たら物足りなさを感じるかもしれません。でも、彼は数字に表れない部分でも貢献できる選手。今はシュートがミドルレンジまでの状態でこれだけのプレイができています。デンバー(・ナゲッツ)戦で初めてコーナー3ポイントを決めましたし、3ポイントが打てるようになれば1試合平均20得点も可能だと思います。八村選手本人は、(ロサンゼルス・クリッパーズの)カワイ・レナードを参考にしていると話していて、ウイングスパンや手の大きさ、身体能力の高さ、体の強さが似ていると言われているので、カワイ・レナードのようにディフェンスファーストで、2WAYプレーヤーで、チームを優勝に導ける選手になってもらいたいです。

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