試合がなくてヒマなので。その２後編

前編からの続き。 ある時、TORに負けた一人のMILファンが悔しさからTwitterでナヴを「頭に下着を巻いた太ったインド人」と呼び大きな物議を醸しました。ナヴが次にMILのアリーナに会場入りした時、何百ものMILファンからハグを求められ愛を示されました。ナヴは感謝し、件のMILファンからの謝罪も受け入れ、彼とその息子を夕食に招待しさえしました。 「３０年以上前にカナダへ来た時と同じです。差別や過ちを非難するだけでは人はどこへも行けません。我々の見た目は皆異なっていますが色や信仰は関係ありません、皆同じです。ネガティブをポジティブに変え、友人になる事が出来ます。今ではそのツイートから良い事が生まれたと思っています」 こう語るナヴは“THE NAV BHATIA SUPERFAN FOUNDATION”という非営利財団を設立しカナダはじめ世界中にバスケットコートの建設や教育施設への寄付もしています。 2019年にTORが優勝した際にはマサイ・ウジリから公式にチャンピオンリングを授与され、2021年にはファンとして初のバスケットボール殿堂入りも果たしています。 ここまで聞いて清廉潔白・聖人君子な人物像をイメージするかもしれませんが、観客席にいる姿は「ただの熱心なTOR大好きおじさん」(失礼)です。インタビュー映像なんかを見てもバスケ愛を早口に語りすぎて聞き手に若干引かれてたりします。TV局に自慢のTORグッズをお披露目してる時、レブロンのサインが混ざっていましたが「これはいつか本当にレブロンを愛する人にあげようと思っています」とも。 「ホームゲームを欠かさず観戦」と書きましたがロードゲームにも普通にいますし、2019年のJapanGamesにも来ていました。今季ＰＯでもＰＨＩのホームに乗り込んで最前列で元気一杯応援しておりました。…ねぇ仕事は？ ナヴ曰く「日本人のファンたちは世界で最も礼儀正しい。情熱的だし、本当に大好きだよ」。私が世界で最も礼儀正しいかはかなり怪しいですが、そう信じたいです。 またナヴ曰く「バスケは地球上最高のエンターテインメントさ。そして、人々を一つにするんだよ」。そう信じさせてくれるナヴは世界で最も情熱的なファンで、私も本当に大好きです。