NBAは各チームが41試合を消化し、シーズン後半戦に突入した。日本時間1月18日時点で、リーグ最高勝率を誇るのはボストン・セルティックス(33勝12敗)。昨季のNBAファイナルで惜しくも涙を飲んだが、今季もここまで好調をキープしている。一方で波乱と言ってもいいのがゴールデンステイト・ウォリアーズだ。現在22勝22敗で勝率5割と昨季王者が苦しんでいる。 そんな対照的な両チームだが、「NBA.com」が各チームの番記者たちを対象に行ったアンケートでは“ファイナル制覇予想”でセルティックスが、“後半大活躍するチーム予想”でウォリアーズが、それぞれ1位にランクイン。後半戦に入り、両チームの注目度は高くなっている。
ウェスト7位に甘んじるウォリアーズだが、その大きな要因はやはり主力の相次ぐ欠場だろう。ステフィン・カリーは左肩亜脱臼の影響もあり14試合欠場、内転筋損傷に見舞われたアンドリュー・ウィギンズは18試合欠場、昨季大怪我から復帰したクレイ・トンプソンも連戦の2戦目は休養に充てているため10試合欠場と、なかなかベストメンバーが組めていない。 それでも今月、カリーとウィギンズがともに復帰を果たし、ここから王者の逆襲といきたいところ。今季リーグトップの成功数(平均16.3本)を誇り、得点内訳の実に41.7%を占める3ポイントを中心とするウォリアーズのオフェンスは、主力の復帰により上向くことが想定される。カリーも「個人的にもチームとしても向上の余地はまだある。必要なレベルに近付けるはずだ」と巻き返しに自信をのぞかせている。 そんななか上位進出に向け課題となってくるのはディフェンスだろう。昨季はディフェンシブレーティングがリーグ2位の106.6だったのに対し、今季は19位の113.4と大幅に悪化。ターンオーバーからの失点もワースト2位の21.0と改善は必須となっている。
そしてもう一つ期待したいのがベンチメンバーの奮起だ。昨季はディフェンスに定評のあったゲイリー・ペイトン二世(ポートランド・トレイルブレイザーズ)や、ベテランのオット・ポーターJr.(トロント・ラプターズ)、ホワン・トスカーノ・アンダーソン(ロサンゼルス・レイカーズ)ら個性豊かなメンバーが脇を固めていた。アグレッシブさを表すルーズボール獲得数を見てみると、昨季の5.7に対して今季は3.6とワースト2位。これはハッスルを売りにしていた選手が移籍した影響も少なからずあるだろう。 後半戦、控え陣がチームにどのように活力を与えていくか。ジョナサン・クミンガ、モーゼス・ムーディー、アンソニー・ラムらの奮起、はたまたトレードデッドラインまでに動くのか。どのようにチームを成熟させていくのか注目だ。
セルティックスは、昨季リーグ最小失点とディフェンス力を武器にファイナルまで勝ち上がったが、今季はオフェンスも絶好調だ。平均得点はリーグ2位(118.8)、平均3ポイント成功数もウォリアーズに次いで2位(15.6)と攻守のバランスが抜群にとれている。 特にインパクトを与えているのがジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンのデュオだ。今季は2人で平均58.3得点とチーム得点のおよそ半分を叩き出している。この数字は各チームの2人組の中でもトップで、今季のベストデュオといっても過言ではない。
さらにベンチメンバーも充実している。昨季から活躍するグラント・ウィリアムズ、ペイトン・プリチャードに加え、今季はマルコム・ブログドンが加入。特にブログドンは平均14.1得点、リーグ4位の3ポイント成功率45.4%と、シックスマン賞の候補にも挙がる働きを見せている。 ブログドンに引っ張られるようにベンチ陣の3ポイント成功率はリーグトップの39.5%、ネットレーティングもリーグ5位と層の厚さはNBA屈指だ。昨季も2月以降に24勝6敗とリーグトップの勝率を残しただけに、後半戦で勢いをさらに加速させたい。
昨季ファイナルは4勝2敗でウォリアーズに軍配が上がったが、そのなかで両エースの明暗は大きく分かれた。カリーは平均31.2得点、3ポイント成功率43.7%でファイナルMVPを獲得。一方テイタムは平均21.5得点、フィールドゴール成功率36.7%とウォリアーズディフェンスに抑え込まれた。 今季は12月11日に一度対戦し、123対107でホームのウォリアーズが快勝している。この試合でもカリーが32点、テイタムは18点と両エースの出来が勝敗に直結した。どちらがチームを勝利に導けるか。今季レギュラーシーズン最後となる直接対決から目が離せない。 ■【THE MATCHUP】ゴールデンステイト・ウォリアーズ対ボストン・セルティックス 日時:日本時間1月20日(金)午前9時30分 会場:TDガーデン 解説:佐々木クリス / 実況:永田実 視聴可能プラン:LEAGUE PASS