NBAは日本時間2月11日(現地・東部標準時10日午後3時)にトレード市場が締め切られ、直前には多くの交渉が合意に至った。最も大きなトレードは、ブルックリン・ネッツのジェームズ・ハーデンとフィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)のベン・シモンズが絡むものだが、『NBC Sports Boston』のニック・ゴス記者が市場における「勝者」と「敗者」を査定している。 ■ブルックリン・ネッツ:勝者 ハーデンが今夏、プレイヤーオプションを破棄して無制限フリーエージェントでチームを去る可能性は、このトレードを必要なものにした。シモンズはオールラウンドな能力を備え、優れたペリメーター・ディフェンダーでもある。シモンズはチーム1位、2位のスコアラーである必要はなく、プレイメイク力でケビン・デュラントとカイリー・アービングのペースを上げて彼らのシュートを生み出せる。シューターのセス・カリー獲得も、プレイオフを見据えた意味で非常に価値がある。2つのドラフト1巡目指名権も、チーム強化のために今後多くの資産をもたらすだろう。 ■フィラデルフィア・シクサーズ:勝者 今季試合に出ていないシモンズを放出するだけでなく、リーグ最高の選手の1人である元MVPのハーデンを獲得した。しかも、若手のマティース サイブル、タイリース マクシーを手放さずに済んだ。シモンズ、セス・カリー、アンドレ・ドラモンドとの交換で、ジョエル・エンビードと並ぶスコアラーになれるハーデンを迎え入れたのだからシクサーズの勝利だ。 ■インディアナ・ペイサーズ:勝者 ドマンタス・サボニスとマイルズ・ターナーは上手く機能していなかった。サボニスを駒に、タイリース・ハリバートン、バディ・ヒールド、トリスタン・トンプソンを獲得。ハリバートンはまだ21歳で平均7.5アシスト、3ポイント成功率41.5%を記録し、ペイサーズの要になる可能性を秘めている。ほかに、キャリス・ルバートを放出してリッキー・ルビオ、2022年のドラフト1巡目指名権と2巡目指名権、27年の2巡目指名権も手にしている。 ■ボストン・セルティックス:勝者 まずラグジュアリータックスを下回り、シーズン終了後の動きに柔軟性を持たせた。スパーズからデリック・ホワイトを獲得するために、ジョシュ・リチャードソンらを手放したが、ホワイトはペリメーターでのディフェンス、高品質のプレイメーカー、安定したスコアリングをもたらせるので、良いトレードだったと言える。 ■ロサンゼルス・レイカーズ:敗者 レイカーズは難破船だ。ロスターに弱点を抱えながら、トレードは行わなかった。レブロン・ジェームズはエリートプレイヤーのままだが、彼も37歳。ウェスタン・カンファレンスの強豪と渡り合うには、チームに欠陥がある。 ゴス記者はほかに、トレードに動かなかったニューヨーク・ニックスとシカゴ・ブルズを「敗者」に振り分け。ブルズは「ロスターを強化しなかったことを後悔するかもしれない」とし、サクラメント・キングスについても「ハリバートン放出は、もはや失笑のトレードだ」と厳しい見解を述べていた。