『NBA.com』のマイケル・C・ライト記者が毎週更新しているMVPレース展望『Kia MVP Ladder』最新版では、ヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、ケビン・デュラント(ブルックリン・ネッツ)、ステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、二コラ・ヨキッチ(デンバー・ナゲッツ)、ルディ・ゴベア(ユタ・ジャズ)の5人が上位に名を連ねていた。2021-22シーズンのレギュラーシーズンも約4割の試合を消化し、誰が活躍しているかはある程度見えてきている。ライト記者の人選にも多くのファンが納得するに違いない。 そんななか、ユタ・ジャズのクイン・スナイダーHC(ヘッドコーチ)はライト記者が挙げていない選手をMVP候補に推しているようだ。ウォリアーズのドレイモンド・グリーンである。 「ステフやルディを軽視するわけではないが、ドレイモンド・グリーンはユニークな選手で、彼らと同じくらい素晴らしいシーズンを送っている。もし誰かをMVPの候補に入れるのなら、彼はそうしたいと思わせる存在だ。恐らくスタッツは、他の候補者のそれと乖離しているかもしれない。だが、彼がゲームに与える影響は、それがパスやディフェンスであろうとルディのような多才さがある。それについて私たちがどう感じているかは明らかだろう。そして、ドレイモンドも同じような存在なんだ。彼はただ自分のやり方でチームに貢献しているんだ」 スナイダーHCは、自軍の守護神で多彩さが光るゴベアを引き合いに出しつつ、グリーンを大絶賛。さらに、「彼が見せるリーダーシップやコミュニケーションの取り方など、本当信じられないような選手だ。今年もそうした場面を見せてくれていると思う。以前からそうだったが、今季プレイする姿を見ていると、より際立っている」と語っている。 今季のグリーンは平均8.4点、7.9リバウンド、7.5アシスト、1.2ブロック、1.4スティールとオールラウンドな活躍を披露しているが、スナイダーHCの言う通りスタッツに関しては他のMVP候補のように飛びぬけたものはない。しかし、ウォリアーズが戦績とディフェンシブ・レーティングでリーグトップを記録しているのは、高いバスケットボールIQを持つグリーンの存在があってこそ。高得点ゲームを連発するステフィン・カリー、間もなく復帰と言われるクレイ・トンプソンらが注目されがちだが、他チームの指揮官にMVP候補と言わしめるグリーンの貢献からも目が離せない。