NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
NBA歴代最長記録に並ぶ15年連続プレイオフ不出場と長きにわたって低迷するサクラメント・キングスだが、プレイオフ戦線に絡めるだけの人材は揃っている。とりわけ類稀な身体能力を誇るエースのディアロン・フォックスと、クレバーさが光るタイリース・ハリバートンのコンビは、リーグ屈指のバックコートとなる可能性を秘めており、2人の成長次第では不名誉な記録を断つのも夢ではない。 オフの補強は、ドラフト全体9位で、昨季ベイラー大をNCAAトーナメント初優勝に導いたデイビオン・ミッチェルを指名。また、トレードにてトリスタン・トンプソンを獲得し、FA市場ではアレックス・レンと契約した。ガードとセンターが過剰戦力気味なのは気になるところだが、主力の流出もなく戦力自体は昨季からアップしたと見ていいだろう。
プレイオフ出場の目標を果たすには、昨季ディフェンシブ・レーティング(116.5)と被FG成功率(48.8%)がリーグ最下位だった守備の改善が必須だ。ルーク・ウォルトンHC(ヘッドコーチ)も「まずはディフェンスへの意識を強く持つことから始め、夏からキャンプにかけて改善に取り組んだ」と語っており、守備強化を今季のテーマに掲げている。 “大学界最強ディフェンダー”と称された新人のミッチェルや、守備面の貢献度が高いトンプソンが加入したものの、 “史上最悪”とも揶揄されたディフェンスを立て直すのは容易ではない。指揮官の言葉通り、チーム一丸となって取り組む必要があるだろう。幸いにも伸び代を残す若手が多く、選手個々人のステップアップにも期待したい。
キングスにはフォックス、ハリバートン、ミッチェル、そして昨季キャリアハイとなる282本もの3ポイントシュートを決めたバディー・ヒールドなど、とにかくガードの枚数が多い。ウォルトンHCは今季3ガード戦術をメインに使うとコメントしているが、それでも渋滞感は否めず多少の整理は必要だろう。以前からヒールドに関するトレードの噂が取り沙汰されているが、具体的な話にはまだ至っていない。しかし、序盤で負けが続くなど、状況次第で一気に動くことも考えられる。 就任2年で合計62勝しか挙げられていないウォルトンHCに対する風当たりは日々強くなっている。激しい競争を強いられるウェストでは、今季もプレイオフ出場は厳しいが、課題のディフェンスを立て直してなんとか可能性を広げたい。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 アレックス・レン(ウィザーズ) トリスタン・トンプソン(セルティックス) デイビオン・ミッチェル(1巡目9位) ネミーアス・ケイタ(2巡目39位) リショーン・ホームズ(再契約) テレンス・デイビス(再契約) モーリス・ハークレス(再契約) 【退団】カッコ内は今季所属チーム ハッサン・ホワイトサイド(ジャズ) デロン・ライト(ホークス) カイル・ガイ(キャバリアーズ) ジャスティン・ジェームズ(解雇) ヨギ・フェレル(解雇)
レギュラーシーズン:31勝41敗(.431/ウェスト12位) プレイオフ:不出場 ■チームスタッツ 平均得点:113.7(11位) 平均失点:117.4(28位) 得失点差:-3.7(24位) 平均リバウンド:41.4(30位) 平均アシスト:25.5(12位) 平均スティール:7.5(16位) 平均ブロック:5.0(15位) FG成功率:48.1%(6位) 3ポイント成功率:36.4%(16位) FT成功率:74.5%(25位) オフェンシブ・レーティング:112.7(12位) ディフェンシブ・レーティング:116.5(30位) ※カッコ内はリーグ順位