NBAは日本時間10月20日(現地19日)に、リーグ75周年となる2021-22シーズンが開幕する。NBA Rakutenでは節目となるシーズンを前に、各チームの戦力状況や見どころを1チームずつ紹介していく。
クリーブランド・キャバリアーズ(以下キャブズ)は、直近3年で2度目のシーズン50敗を喫するなど、2018年にレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)が去って以降、負のトンネルから抜け出せずにいる。 ドアマットからの脱却を図るチームは、昨シーズン途中ブルックリン・ネッツから加入し、その後の51試合で平均13.2得点、9.9リバウンド、1.4ブロックを記録したジャレット・アレンと、オフに5年総額1億ドルの契約延長を締結。ドラフトでは全体3位で「今ドラフトクラス最高のビッグマン」と評されたエバン・モーブリーを指名し、FA市場ではシカゴ・ブルズで伸び悩んでいたラウリ・マルカネンをサイン&トレードで獲得している。 この3人に加え、ベテランのケビン・ラブもひとまずは残留予定と、フロントコートは充実している。どのビッグマンがチームにとって最適解なのかを見つけ出す必要はあるが、期待されるのはアレンとモーブリーのペアだ。ペイント内のFG成功率が65.1%とゴール下を専売特許とするアレンに対し、モーブリーは7フッターとは思えぬボールハンドリングや外角シュートを売りにする万能ビッグマン。長所の異なる2人が上手く共存できれば、再建スピードは加速するだろう。
JB・ビッカースタッフHC(ヘッドコーチ)は今シーズンの目標について「会場にやって来るファンがエキサイトするようなチームに仕上げたい」と語り、攻撃的なバスケを展開すると宣言。しかし、昨シーズンはペース(40分間における平均攻撃回数)がリーグ25位(97.96)、速攻からの得点がリーグ22位(11.3)と苦戦しただけに、大幅な意識改革が必要となるだろう。 アップテンポなバスケでクリーブランドファンの活気を取り戻すためには、ボールをコントロールする生え抜きバックコートコンビ、コリン・セクストンとダリアス・ガーランドのさらなる成長が不可欠だ。特にトレードの噂も取り沙汰されるセクストンには、注目が集まる。
昨シーズンはチームトップの24.3得点を記録し、入団してから3年連続で平均得点を延ばしているセクストン。しかし、得点以外の貢献度は低いのが悩ましいところだ。さらにプレイメイカーとしてレベルアップしたガーランドが評価を上げたことで、セクストン放出論がより頻繁に取り上げられるようになった。 チーム状況的にプレイオフ進出はまだ厳しいが、昨季以上の成績を残すことは必須となる。もし序盤から大きく出遅れるようなら、シーズン途中でのバックコート解体も現実味を帯びてくるだろう。
【入団・再契約】カッコ内は昨季所属チーム、またはドラフト順位 リッキー・ルビオ(ウルブズ) ラウリ・マルカネン(ブルズ) エバン・モーブリー(1巡目3位) ジャレット・アレン(再契約) ブロドリック・トーマス(再契約) デンゼル・バレンタイン(ブルズ) ケビン・パンゴス(ゼニト) タッコ・フォール(セルティックス) 【退団】カッコ内は今季所属チーム マシュー・デラベドーバ(メルボルン・ユナイテッド) トーリアン・プリンス(ウルブズ) トレボン・スコット(解雇) ラリー・ナンスJr.(ブレイザーズ) デイミアン・ドットソン(解雇) アイザイア・ハーテンシュタイン(クリッパーズ) 【フリーエージェント】カッコ内はFAの種類 ジェレマイア・マーティン(制限なし)
レギュラーシーズン:22勝50敗(.306/イースト13位) プレイオフ:不出場 ■チームスタッツ 平均得点:103.8(30位) 平均失点:112.3(17位) 得失点差:-8.4(28位) 平均リバウンド:42.8(24位) 平均アシスト:23.8(21位) 平均スティール:7.8(12位) 平均ブロック:4.5(20位) FG成功率:45.0%(25位) 3ポイント成功率:33.6%(30位) FT成功率:74.3%(26位) オフェンシブ・レーティング:105.2(28位) ディフェンシブ・レーティング:113.5(25位) ※カッコ内はリーグ順位