今季リーグ最下位(15勝50敗)に沈んだゴールデンステイト・ウォリアーズは、来シーズンの巻き返しを狙う。長期離脱していたステフィン・カリー、クレイ・トンプソンの復活が見込まれるなか、スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)はこれまで通りのオフェンスを貫く意向を示した。 ウォリアーズはカリーが開幕直後に左手を骨折して60試合を欠場、トンプソンも左膝前十字靭帯断裂のリハビリでシーズン全休。ドレイモンド・グリーンへの負担が大きくなり、全員が連動するパスワークを主体とした従来のアップテンポなスタイルは影を潜めた。
カーHCはボールを動かし、選手も動き、オープンを作ることを理想とし、アイソレーションや1試合50本以上の3ポイントを撃つことを好まない。『The Athletic』のティム・カワカミ記者がホストを務めるポッドキャスト『The TK Show』で、オフェンスのスタイルを変えるつもりはないとビジョンを明かした。 「土台から作り直そうとしているのではない。我々は依然としてウォリアーズであろうとしている。突然オフェンスを変えて、ロケッツに変わるつもりはないし、ある選手に1試合でハイピック&ロールを70回させるつもりもない」 ウォリアーズの強みは、カリーとトンプソンの“スプラッシュ・ブラザーズ”が長距離砲で外から射抜き、グリーンを起点とするコンビネーション攻撃やピック&ロールなど多彩なバリエーションを誇ることにある。“チームで戦う”というスタイルは、NBAファイナルを戦っているマイアミ・ヒートを見ても正しいと、カーHCは考えているようだ。 「我々は自分たちらしくいる必要がある。ステフとクレイのオン・ザ・ボールとオフ・ザ・ボールの動きのコンビネーションが、相手のディフェンスに動きをもたらす。そして、ドレイモンドの存在を特別にしているのが、4番、5番のポジションからパスをできる能力だ。今のマイアミ(ヒート)を見ていると、我々のチームがリーグに与えた影響を垣間見ることができる。多くの動きがあると、ディフェンスは対応が非常に難しい。だからそれを変えるつもりはない」 2014-15シーズンから5年連続でファイナルに進出し、3度の優勝を果たした黄金期の輝きを取り戻すべく、カーHCがどのようにタクトを振るのか、注目が集まる。