プレイオフ1回戦でマイアミ・ヒートにスウィープ(未勝利でシリーズ敗退)された直後の8月26日(日本時間27日)にインディアナ・ペイサーズから電撃解雇されたネイト・マクミラン元HC(ヘッドコーチ)。約2週間前の12日(同13日)にペイサーズと延長契約を結んだばかりだったため、解雇の理由について様々な憶測が飛んでいたが、その経緯を明かした。 『The Athletic』のボブ・クラビッツ記者のインタビューの中で、マクミラン元HCは以下のように語っている。 「(来季も戦う)チャンスが貰えると思ったから、私はペイサーズと延長契約を結んだんだ。ペイサーズは(ジェレミー・ラム以外は)健康な状態でシーズン再開を迎えたから、プレイオフのファーストラウンド突破できると思っていた。私は、このチームなら、どんな相手でも倒せる自信があったんだ」 「健康で万全な状態のチームで試合をして、それでも負けたのなら、私は自ら(辞める)決断をしていた。だが、時に不運なことが起きることは理解している。私は、今回の解雇はアメリカの現状と同じようなものだと考えている。このパンデミックの責任を国の責任者に負わせることはできないが、自分が目の当たりにしたことに関しては何かしらの責任を負わないといけない。私たちはセミファイナルに勝ち進めなかった。だから、私はそれについての責任を取ったんだ」 また、現在NBAの主流となっているスモールボールではなく、マイルズ・ターナーやドマンタス・サボニスといったビッグマンを中心としたマクミラン元HCの戦略に対して、ペイサーズの中に不満を持つ選手がいたという噂については、以下のようにコメントしている。 「球団の方針に従ってチームのプレイスタイルを決めるコーチもいるが、私はチームに所属する選手によって戦略は決まると思っている。これまでに、多くのチームがサンアントニオ・スパーズやゴールデンステイト・ウォリアーズのようになろうとしてきた。フロアを広く使って、主にコーナーから沢山スリーポイントシュートを打つスタイルは、スパーズのグレッグ・ポポビッチHCが始めたんだ。だが、注目され始めると、ポポビッチHCは突然、ラマーカス・オルドリッジとパウ・ガソルという2人のビッグマンを中心とした“ビッグボール”戦略を始めた。すると、周囲は『彼は、いつだって今ある戦力に合わせた戦略を立てる』と言い出したんだ。私も、チームにいる選手の特性を活かして勝つ方法を模索している。私個人としては、とにかく走るプレイが好きなんだ。現役時代、私はそういうプレイをしていたからね。しかし、プレイスタイルは、選手次第なんだ」 マクミラン元HCは、2016年にペイサーズのヘッドコーチに就任して以降、プレイオフ出場を逃したことはなく、毎シーズン42勝以上を記録して183勝136敗という成績を残した。これは、ペイサーズの歴代ヘッドコーチ(ABA時代含まず)の中で3位に入る勝利数となっている。