ドンチッチ&ポルジンギスを擁するマーベリックスに“第3のスーパースター”は必要か?

ダラス・マーベリックスは2016-17シーズンから3年連続で負け越して迎えた今季、新型コロナウイルスの影響でリーグ中断となるまで、40勝27敗(カンファレンス7位)と復活を果たした。 昨季限りで長年エースとして君臨したダーク・ノビツキーが引退し、ルーキーイヤーに平均21.2得点、7.8リバウンド、6.0アシストをあげて新人王に輝いたルカ・ドンチッチにその座は託された。このスロベニアの神童は今季トリプルダブルを連発し、左膝前十字靱帯断裂から復活したクリスタプス・ポルジンギスがインサイドを支えるなど、強豪ひしめくウェストでプレイオフ圏内につける快進撃を見せてきた。 フランチャイズOBのデレック・ハーパーが「彼らがいるうちに、マーベリックスは1回、あるいは2回優勝する」と太鼓判を押すほどに、チームの戦力は充実しつつある。

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一方で、すぐにでも優勝できるレベルかといえば、まだ疑問が残るところだ。レブロン・ジェームズとアンソニー・デイビスを擁するレイカーズ、カワイ・レナードとポール・ジョージの二枚看板が君臨するクリッパーズのロサンゼルス勢のような今季の優勝候補に比べると、マーベリックスはまだ地力で見劣りする感は否めない。 過去にボストン・セルティックス(2007-08シーズン)やマイアミ・ヒート(2011-12、12-13シーズン)が“ビッグ3”と言われるスーパースター3人衆を結成して優勝した例がある歴史を踏まえると、今のマーベリックスは3人目のスター選手の必要性について検討するべきかもしれない。『The Athletic』のティム・ケイト記者が「ダラスは3人目のスーパースターを加える必要があるか?」とのテーマで検証している。 「マーベリックスはファン以上に3人目のスターを欲しているかもしれない。昨夏、狙っていたケンバ・ウォーカーの獲得成功に近づいていたが、直前にボストン・セルティックスに阻まれた。第3のスターが必要かという質問の本質は、持続性を欠くクリスタプス・ポルジンギスに対する信頼の欠如と言っていい。ただ、健康体であれば、彼は頼れる第2のスコアラーで、スペースを作ることができ、素晴らしいとは言えないまでも良いディフェンダーだ。そして、ドンチッチは一世代に一人のマエストロであり、すでにリーグトップ5の選手になっている」。 直近では2020-21シーズン終了後に完全FA(フリーエージェント)となるヤニス・アデトクンボ(ミルウォーキー・バックス)、ブラッドリー・ビール(ワシントン・ウィザーズ)のトレードの噂がメディアを賑わせてきた。しかし、現在抱えるタレントと財政状況的に、マーベリックスがさらなるスーパースターを獲得するのは難しく、その必要性もないとケイト記者は結論づけている。 「来季、マーベリックスはティム・ハーダウェイJr.がプレイヤーオプションを行使しなかった場合、チームの年俸総額はおよそ1億1000万ドル(約118億円)に上る。つまり、大物フリーエージェントを獲得できない可能性が高い。ドンチッチの新人契約が終了する際には、さらにひっ迫した状況になる。ビールのトレードに動くにしても2200万ドル(約23億5000万円)の金銭を用意しなければならない。仮に1試合9分近くボールを保持するアデトクンボが加わった場合、リーグで2番目にボール支配率が高いドンチッチはボールタッチを減らすことを余儀なくされる。つまり、ダラスに第3のスターは必要ない。適切なロールプレイヤーを補強すれば、ドンチッチとポルジンギスで優勝できる」 リスクを負ってでも3人目のスター選手を狙うべきか、すでにある2人のコアを中心に周囲を固めてチーム力を高めるべきか、今オフ以降のマーベリックスのチーム作りに注目だ。

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