NBAで最初の新型コロナウイルス感染者となったユタ・ジャズのルディ・ゴベアは、関係悪化が報じられたドノバン・ミッチェルについて「しばらくの間、僕たちが話をしていなかったのは事実だ」と不仲を認めた。ゴベアは来シーズン終了後に完全FAとなるため、ミッチェルとの共存を続けるか、チーム再建に舵を切るか決断の時が近づくなか、『CBS Sports』のジェームズ・ヒバート記者とサム・クイン記者は、「ジャズはルディ・ゴベアとドノバン・ミッチェルを決別させるべきか?」とのテーマで議論を繰り広げている。 2013年のドラフト1巡目27位指名でNBA入りしたゴベアは、2014-15シーズン途中から主力に定着。ウイングスパン236cmという手足の長さを生かした迫力あるディフェンスを武器に、18年からは2年連続で最優秀守備選手賞を獲得とトップセンターの一人として君臨している。 一方のミッチェルは2017年のドラフト1巡目13位でデンバー・ナゲッツに指名され、トレードを経てジャズに加入。ルーキーイヤーから攻撃の第一オプションを託され、ジャズを強豪ひしめくウエストでも一目置かれる存在に押し上げた。 ただ、強力コンビを中心に過去3年連続でプレイオフに進出しているジャズだが、現状ではカンファレンス準決勝の壁を乗り越えられずにいる。不仲の表面化はチーム作りを見直す機会にもなっているが、ヒバート記者はゴベアを引き続きチームの軸に据えるべきだと主張する。 「ジャズはフランチャイズセンターの価値を理解しなければならない。(スーパーマックス契約の)5年総額2億5000万ドル(約269億円)の契約延長に値する。もし交渉のテーブルにつかなければ、対立を引き起こすリスクがある」 一方で、クイン記者は“守備職人”のゴベアにスーパーマックス契約を提示するよりも、スコアラーであるミッチェルに契約延長をオファーすべきだと説く。 「ユタは来季以降の現行契約で、ボーヤン・ボグダノビッチ、ジョー・イングルズ、ロイス・オニールに1億1700万ドル(約126億円)を払わなければならない。過去5年でスーパーマックス契約を結んだのはステフィン・カリー、ジェームズ・ハーデン、デイミアン・リラード、ラッセル・ウェストブルック、ジョン・ウォールだけ。スコアラーでない選手に年俸5000万ドル(約54億円)を支払うのはどのチームであっても危険だ。ゴベアはそれに値しない。チーム解体に向かっていると思う。ミッチェルにマックスの契約延長を提示すべきだ」 ミッチェルを中心としたチーム作りに切り替えるとすれば、ゴベアをトレードの駒に使うのが有力な選択肢になる。2人の議論ではブルックリン・ネッツ、ボストン・セルティックス、サクラメント・キングス、ロサンゼルス・レイカーズ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ポートランド・トレイルブレイザーズが交換相手に挙がったが、いずれも短いスパンで今以上のチームを作るのは難しい見込み。仮に、ゴベアに延長契約を提示した際、ミッチェルの反応次第ではトレードの駒が逆になる可能性もあるとしている。 新型コロナウイルスの騒動が収束し、再びシーズンが動き出したとき、ジャズはどのようなチーム作りを目指すのだろうか。