ニューオーリンズ・ホーネッツの大型新人ザイオン・ウィリアムソンは右膝の半月板損傷を乗り越えてデビューを飾り、平均23.6得点、6.8リバウンド、2.2アシスト、シュート成功率58.9%とドラフト全体1位指名にふさわしい活躍を見せている。 公称201cm・129kgの強靭な肉体を武器にドリブルでゴールへアタックするだけでなく、ポストアップして自由自在にダンクを叩き込む。そのずば抜けた身体能力は早くから注目を浴び、レブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やチャールズ・バークレー(元フェニックス・サンズほか)と比較する声も多い。殿堂入り選手のバークレー自身は「ザイオンは俺以上に爆発力がある」と語っているが、よりプレースタイルが近いとされるのがラリー・ジョンソン(元シャーロット・ホーネッツほか)だ。 1991年ドラフト全体1位指名のジョンソンは201cm・113kgと決してサイズはなかったが、身体能力が高く、全盛期は3番と4番をこなすコンボフォワードとして旋風を巻き起こした。度重なる怪我でNBAキャリア10年、31歳にして現役を引退している。 ホーネッツ時代にジョンソンと共闘した1998-99シーズンのスティール王であるケンドール・ギルは、『heavy.com』でザイオンについて「他の誰とも違う」と見解を示した。 「彼は201cmだったラリー・ジョンソンと同じタイプの肉体を持つ。ラリーよりも35ポンド(約15.9kg)重いけどね。ラリーは並外れたアスリートだった。でも、ザイオンは跳躍力を含めて世代に一人の逸材だ。成長したら、誰とも比較できなくなるだろう」 15年間プレーした現役時代、ジョンソンのほかにもショーン・ケンプ(元シアトル・スーパーソニックスほか)やケニョン・マーティン(元ニュージャージー・ネッツ)らアスレティック系パワーフォワードとプレーしたギルは、ザイオンのポテンシャルを評価するとともに課題にも言及している。 「ザイオンは体重を25~30ポンド(約11.3~13.6kg)ほど減らす必要がある。そうすれば規格外のジャンプと爆発力で怪我することもない。自分自身をコントロールできる選手になると思う。ラリー・ジョンソンは俺が一緒にプレーしたなかで最高の選手だ。背中を痛めていなかったら、歴代最高のパワーフォワードのひとりだったと思う。ザイオンは怪我さえしなければその域に到達できる」 ルーキーイヤーから観る者を惹きつけるザイオンがどのような成長曲線を描くのか、実に興味深いところだ。