ニューオーリンズ・ペリカンズのザイオン・ウィリアムソンは右膝半月板損傷により開幕に出遅れたものの、1月22日(日本時間23日)にNBAデビューを飾って以降は19試合で平均23.6得点、6.8リバウンド、2.2アシスト、シュート成功率58.9%の好成績をマーク。2019年のドラフト全体1位指名に恥じないプレイを見せている。 『Bleacher Report』のモー・ダヒール記者は「ザイオン・ウィリアムソンは“ネクスト・シャック”か“ネクスト・バークレー”になり得る」と題し、19歳のレフティーをシャキール・オニールとチャールズ・バークレーという2人の殿堂入り選手と比較した。 3人の共通点として最初に挙げられたのは、「体で試合を支配する能力がある」こと。ザイオンは身長198cm(体重129kg)ながら、強靭な肉体はすでにNBAのなかでも規格外だ。同じ身長(体重114kg)でインサイドを主戦場としたバークレー、身長216cm・体重147kgの巨漢で猛威を振るったシャックを彷彿させるレベルにある。 「オニールはポストで相手を蹴散らした。バークレーはポジション取りも生かしてポストでも力を発揮した。ウィリアムソンはリングに向かって道を切り開くために、すでに体を使ってプレイし始めている」 ダヒール記者は、機動力や動きのキレに関しても偉大なレジェンド2人に負けない素養があると分析している。 「ウィリアムソンはオニールやバークレー同様、ディフェンシブ・リバウンドを取ってファストブレイクを引き出し、(ボールを運んでいる間に)チームメイトも見つけられる。オニールは216cmありながら他のセンターが対応できないクイックネスを備えていたため、ポストで正対しての1対1でも勝負できた。ウィリアムソンは(レイカーズの)アンソニー・デイビス相手の1対1でその片鱗を見せた。オニールを彷彿とさせるスピンやターンの動きも持っている」 一方で、今後の課題に挙げられているのがリバウンドとディフェンスIQだ。ザイオンは垂直飛び45インチ(114.3cm)という驚異的な跳躍力を誇りながら、平均リバウンドは大学時代の8.9本から6.8本に減少している。膝の故障再発を避けるために少なからず力をセーブしている面はあるだろうが、同じ身長のバークレーはプロ2年目から15シーズン連続で平均2桁リバウンドをマークしているだけに、その水準には少しでも近づきたいところだ。 また、ダヒール記者は「ほとんどの新人はディフェンスIQが低く、ウィリアムソンも例外ではない。今、彼は運動能力に頼っている。いくつかのハイライトブロックを見せているが、いつどこで力を発揮すればいいのか完全には理解していない。相手のピック&ロールに対するカバー役になっても、ボールハンドラーに強く守備に行かない傾向がある」とも指摘している。 もっとも、ザイオンがプレイしたのはまだ19試合。その無限大のポテンシャルからすれば、人々の想像を超える成長曲線を描き、バークレーやシャックの域まで到達しても不思議はないだろう。