シカゴ・ブルズのザック・ラビーンは今季全54試合に先発出場し、平均25.0得点、4.8リバウンド、4.1アシストと文字通り「エース」として奮闘中だ。ただ、これまでのキャリアでポストシーズンを経験したことがなく、平均25得点を挙げながらオールスターに選出されない憂き目に遭った。彼に求められるのは、チームを勝たせることだと言っていいだろう。 「ザック・ラビーンはブルズが必要とするスターになれるか」 このようなテーマでコラムを展開したのは、『ESPN』のエリック・ウッドヤード記者だ。ラビーンは24歳ながら、NBAキャリア6年はチーム内で3番目。ブルズの事実上のリーダーを担う。昨年11月23日(日本時間24日)のシャーロット・ホーネッツ戦でキャリアハイの49得点を叩き出すなど、今季はすでに30得点以上を16回、40得点以上を4回記録。平均得点でリーグ11位にランクインするなど得点力は凄みを増し、フランチャイズOBのドゥエイン・ウェイドも「今後数年にわたって彼の成功を見られるのが待ちきれない」と期待を寄せる。 ただ、ラビーンは2017-18シーズンの加入から順調だったわけではない。昨年11月のマイアミ・ヒート戦では、開始4分足らずで「ディフェンスでひどいミスが3つあった」という理由で交代させられ、ジム・ボイレンHC(ヘッドコーチ)との確執が心配されるようになった。 ウッドヤード記者によれば、そのヒート戦翌日、ボイレンHCはノースカロライナ州シャーロットのホテルのスイートルームでラビーンと1時間の対話を持ったという。 「私は君を信用していない。もっと成長が必要だ。同じ間違いをなくして、一人前の男になってくれ」 ボイレンHCは「ザックにはより効率的なプレイヤー、つまり攻守万能になることを求めた。2ポイントを減らして、フリースローと3ポイントを増やせと。それと同時に、勝利に導き、生産性の高いエリートスコアラー、オールスターになるように、とね」と“一人前”の意図を語る。 ブルズ加入以降、シーズンの勝利数は27勝、22勝と低迷。今季もここまで19勝で勝率5割を大きく下回っている。しかし、一方でラビーンの「+/-」は一昨季のリーグ490位、昨季の472位から、今季は400位まで上昇。まだプラスに乗せられていないが、徐々にリーグ平均に近づきつつある。 リーグ首位を走るミルウォーキー・バックスのエリック・ブレッドソーは、「彼は忍耐強く、自信も持っている。このリーグでは最も重要なことだ。さらに良くなるだろう」と成長に太鼓判を押す。ブルズもまた、ラビーンがチームをプレイオフ進出に導いてくれるスターに成長することを望んでいる ブルズのバスケットボール部門副代表を務めるジョン・パクソンは、2月6日(同7日)のトレード期限最終日を終え、ラビーンについてこのように語ったという。 「ザックは素晴らしい年を過ごしている。彼が来た時から、成長と自信を見てきた。彼の双肩に多くを託してきた。非常に才能のある選手だ」 ブルズにより多くの勝利をもたらした時、ラビーンは真のスターへの道を歩み出すはずだ。