5年連続でNBAファイナル進出中のゴールデンステイト・ウォリアーズが、今季は苦しんでいる。ステフィン・カリーとクレイ・トンプソンの“スプラッシュ・ブラザーズ”が故障離脱している影響は大きいが、ケビン・デュラント(現ブルックリン・ネッツ)の退団もチームに変化をもたらすことになった。スティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は、デュラントが在籍した最後のシーズン中に“移籍の予兆”を感じていたという。 長年オクラホマシティ・サンダーのエースとして君臨してきたデュラントは、チャンピオンシップ獲得を目指して2016年7月にFA(フリーエージェント)でウォリアーズへ。カリーとトンプソンの二枚看板とともに、強力な攻撃で対戦相手に襲い掛かった。2016-17シーズンからリーグ2連覇、自身もファイナルMVPに輝くなど、黄金期を築く原動力となった。 しかし、2018-19シーズンは78試合に出場して平均26.0得点を挙げた一方、シーズン途中にドレイモンド・グリーンと口論を展開。NBAファイナル第5戦では右足アキレス腱断裂の重傷を負い、3連覇の夢を逃すことになった。デュラントはそのオフに4年総額1億6400万円(約180億円)でネッツと契約し、ウォリアーズを去る決断を下している。 『Yahoo! Sports』のインサイダーであるクリス・ヘインズ氏の番組に出演したカーHCは、「彼(デュラント)がチームを去ったことは驚きだった?」という問いに、「ノー」と即答した。 「(2018年の)年末までに彼は徐々にグループから離れていった。我々は、彼がフリーエージェントになることに関しては決して話さなかった。私はコーチで、それは自分の仕事ではなかったからね。私はあのシーズンに集中し、チーム全体がシーズンに集中して欲しかった。フリーエージェントで選手が何をするかは、その人次第だ。だから、私はケビンが人生で自分のために新しい道を作る権利を完全に尊重した」 31歳のデュラントは、右足アキレス腱断裂の影響で今季全休が見込まれている。そんな稀代のスコアリングマシンの全快を祈る言葉をカーHCは送った。 「今重要なのは彼が健康で、以前そうだったような素晴らしいプレイヤーに戻って欲しいということ。彼は我々の組織にたくさんのことを与えてくれた。2つのタイトルをチームにもたらし、ファイナルMVPにも2度輝いた。信じられないほど素晴らしいプレイヤーだ。ベイエリア全体が、彼が我々にしてくれたことに感謝している」 所属するチームこそ違えど、カーHCはデュラントへのリスペクトを最後まで忘れなかった。