NBPA(NBA選手会)は、2015年から引退選手を対象とした無料健康診断を開始し、これまでに500人以上の引退選手の健康状態をチェックしてきた。 通常、この無料健康診断はNBAサマーリーグやNBAオールスター・ウィークエンドといった大きなイベントの際に実施されるが、この度、NBPAとフィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)が合同でチームの引退選手を対象とした独自の無料健康診断を行った。 この無料健康診断には、NBAの引退選手であり現在はシクサーズのゼネラルマネージャーを務めるエルトン・ブランド氏をはじめ、ワールド・B・フリー氏、ボー・キンブル氏、ティト・ホーフォード氏(アル・ホーフォードの父)といったシクサーズのOBたちが参加した。 ホーフォード氏は「数年前にデトロイトで無料健康診断を受診したことがあるが、フィラデルフィアでも受信できて嬉しく思っている。我々のような元アスリートは定期的に健康診断を受ける必要があると思うので、チームが率先してこういった無料健康診断を行うのは非常に重要なことだと思う」とコメントしている。 NBPAがフィラデルフィアで無料健康診断を行うのは、今回が初めてのことだ。NBPAのスポーツ医学・ディレクターのジョー・ロゴウスキー氏は、フィラデルフィアでの無料健康診断について「シクサーズは素晴らしい施設を持っている。他のチームでも無料健康診断を開催するにあたって、シクサーズの施設は良い基準となるだろう」と語っている。 このような無料健康診断が引退選手にとって有益であることは、過去の事例を見ても明らかだ。 2017年の無料健康診断で、殿堂入り選手のネイト・”タイニー”・アーチボルト氏の心臓に特殊な問題が発見された。早期に問題が発見されたことにより、2018年にアーチボルト氏は心臓移植に成功している。 無料健康診断では、NBA、Gリーグ、WNBAの引退選手を対象に、血液検査、心電図、心エコー図、整形外科相談、心臓病に関する相談などが行われる。 シクサーズのアンバサダーを務めるワールド・B・フリー氏は「このような無料健康診断がNBAの全チームで行われるようになると信じている。これは、とても良いことだ」と語っている。