ボヤン・ボグダノビッチの劇的なブザービーターは、こうして生まれた

シュートを成功させるのは1人の選手かもしれない。 しかし、そのプレイを成立させるのには多くの選手が関わっている。 現地11月8日に行われたユタ・ジャズ対ミルウォーキー・バックス戦は、100-100で迎えた試合時間残り1.3秒からのインバウンド・プレイでジャズのボヤン・ボグダノビッチがベースライン沿いのコーナーから3ポイントシュートを決めて劇的な幕切れを迎えた。 そのプレイの前のタイムアウトで、ジャズのクイン・スナイダーHC(ヘッドコーチ)は試合当日の朝のシュートアラウンドで練習しておいたプレイをするように指示した。 そのプレイ・コールは、ジョー・イングルズがボールをインバウンドし、ポイントガードが近いサイドのコーナーでボールを受ける、というものだった。 この時のタイムアウトを振り返って、ボグダノビッチは以下のように語っている。 「私は、その時に『マイクを逆のコーナーに行かせてほしい』と頼んだんだ。そうすることで、私には2つのオプションが生まれる。ルディ・ゴベアのスクリーンを使ってトップでボールを受けることもできるし、スリップしてコーナーでボールを受けることもできるんだ」 すると、コンリーが別の案を出した。 「私はコーナーに行きたくなかった。だから、私はハーフウェイライン付近に移動すると言ったんだ。そうすれば、ボグダノビッチとドノバン・ミッチェルにスペースを与えることができるからね。私は、ドノバンがトップでスクリーンをかけてもらってゴール付近でロブパスを受けることもできるし、ボグダノビッチがコーナーでボールを受けることもできると思ったんだ」 すると、スナイダーHCは、この2人のベテラン選手の申し出を快く受け入れたそうだ。 コンリーは「コーチは椅子に座ったまま俺たちの顔を見て『あぁ、それが良さそうだ。そのプレイでいこう』と言ってくれたんだ」と、その時の様子を語っている。 また、ボグダノビッチは「こういった点が、このチームとクイン(HC)の良いところなんだ。彼は、私たち選手の意見に耳を傾けてくれる。コート上で実際にプレイをするのは私たち選手だからね」と、スナイダーHCの姿勢を高く評価した。 スナイダーHCは、試合後に「選手の側から『シュートを打ちたい』と言われるのが好きなんだ。コーチとして、彼らのそういった自信を抑制しなければいけないことも多い。だが、今回のケースでは、チーム全員が『ボヤンがシュートを打ちたがっている』ということに気付いていた。もし、重要な場面でも選手が全く物怖じせず、的確な読みと判断ができるという確信があり、そのうえでボールを持ちたがっているなら、それはこの世で最高の状況だと言えるだろう。彼らの成長と経験をもってしても、物事は思い通りにならないこともある。だが、あの時は、タイムアウトのハドルが解けた後に、我々が望んだ結末になったんだ」と、選手たちの判断を讃えている。 ボグダノビッチは、プレイの読みについて以下のように語っている。 「あのセットプレイは、ドノバンがレイアップ・ショットを決めるか、私が3ポイントシュートを打つためのものだった。だが、バックスはルディのスクリーンを使おうとする私をブロックしてきたので、私はとっさにコーナーの空いているスペースにスリップした。そこに、丁度良いスペースができていたんだ」 ミッチェルは、この的確な判断をしたボグダノビッチについて「ベテランが助けてくれた。彼らは冷静に状況を見て、的確なプレイをするんだ」と説明している。 鮮やかなターンからシュートを放ったボグダノビッチは、「すぐにシュートが決まるのが見えたよ」と語った。

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