現地11月2日の朝、オーランド・マジックにとってホームのデンバー・ナゲッツ戦が始まる数時間前、マーケル・フルツにスティーブ・クリフォードHCから一本の電話があった。その連絡は、若手ポイントガードにとってエキサイティングなものとなった。フルツはマジック加入以降では初の先発出場を言い渡された。 先発を託すということはフルツに対するクリフォードHCの信頼度を表している。しかし元ドラフト1位指名選手でありながら、フルツは現状を当たり前だとは考えていない。 「自分に与えられた課題に対して準備をしっかりとしてきた。試合の頭でチームが力強いスタートが切れるように心がけた」と、その試合で9得点、2アシスト、3スティールを記録したフルツは語った。 与えられたチャンスに感謝するフルツだが、これが究極のゴールを達成するための小さい一歩でしかないことは理解している。 「一歩ずつ進んでいきたい。最初は小さいことから始めていくんだ。僕の目標は高いところにあるけど、まずは基本から始めないと。急に山の一番上に行くなんてできない。上に行くために、まずはしっかりと土台を作らないとね」 ナゲッツ戦はフルツにとってキャリア16度目の先発出場。昨シーズンは胸郭出口症候群と診断されるまで、フィラデルフィア・76ersの一員として15試合に先発出場していた。 健康体を取り戻したフルツは、チームメイトとの連携がさらに良くなっていけば、自分のプレイのレベルも上がっていくと自信を見せている。ほかの先発選手と多くの時間プレイするで、関係を構築することもより簡単になるはずだ。 「どのグループとプレイするか分かっていれば、それは自分にとって大きな助けになる」とフルツは語る。 「まだ彼らのプレイは勉強中。逆に自分のプレイも、もっと知ってもらえるようにしたい。どういったパスを出すかとかね。そうなればオフェンスではより積極的にプレイできる。誰と長い時間一緒にプレイするか分かっていれば、すべてが楽になるはずさ」 6試合を終えてフルツは平均9.7得点、3.3アシスト、1.8リバウンドを記録している。