クリーブランド・キャバリアーズの名物実況者のフレッド・マクラウド氏が67歳で逝去した。マクラウド氏は2016年にキャバリアーズが優勝を決めた試合でも実況をしていた。 マクラウド氏はデトロイト・ピストンズの実況としてキャリアをスタートさせた後、キャバリアーズで15年テレビ実況を務めた。 クリーブランドで育ったマクラウド氏には、地元チームを応援する熱い血が流れていた。2016年のNBAファイナルで、レブロン・ジェームズ率いるキャバリアーズが1勝3敗の崖っぷちからゴールデンステイト・ウォリアーズから逆転優勝を飾った最終戦の試合終了間際に、マクラウド氏は放送席で涙を流しながら実況していた。 それは、1964年に創設したキャバリアーズにとって初めての優勝だった。 キャバリアーズは「1000試合以上のキャバリアーズの試合を実況したフレッドは、クリーブランドの街とキャバリアーズを心の底から愛していた。彼は、チームとファンとクリーブランド地域全体の、真のアンバサダーだった」とコメントしている。 マクラウド氏はピストンズで22シーズン実況を務め、2006年にキャバリアーズの実況者になった。先日、彼はブロードキャスターとして36周年目を迎えたばかりだった。 彼はMLBのクリーブランド・インディアンズとデトロイト・タイガースのテレビ・アナウンサーもしていた。 1982年に行われたカリフォルニア大対スタンフォード大のアメリカンフットボールの試合を実況していたマクラウド氏は、スタンフォード大が1点リードして試合時間残り4秒を迎えた場面で、撤収を始めようとしたカメラマンを制止して試合の撮影を続けさせた。すると、カリフォルニア大が最後のプレーで「The Play」と呼ばれるビッグ・プレーを見せ、勝利を確信してコートになだれ込んでいたスタンフォード大のマーチングバンドが溢れるエンドゾーンに飛び込んでタッチダウンを決めた。 2014年のCleveland.comのインタビューで、マクラウド氏は当時を振り返って以下のようにコメントしていた。 「普通、カメラマンは早々と撤収してロッカールーム取材に移動しようとするんだ。だが、あの時、私は彼に『まだ撮影を止めるな。まだ時間はある』と言ったんだ。私は必ず試合の最後まで実況していたから、毎回ロッカールームに行くために人混みをかき分けていた。だが、それでも私は試合を最後の一瞬まで伝えたかった。だから、私は『何が起こるかわからないから、撮影は続けるんだ』と言ったんだ」