数年前、ブルックリン・ネッツのオーナーであるミカイル・プロコロフ氏は、ネッツの所有権の49%をジョセフ・ツァイ氏に譲渡した。そしてこの度、ツァイ氏がネッツの全ての所有権を取得することとなりそうだ。 New York Postのジョシュ・コスマン記者とブライアン・ルイス記者によると、ツァイ氏はプロコロフ氏からネッツの所有権の残り51%を買い取る契約の最終段階に入っているそうだ。今回の買収にあたってツァイ氏が支払う金額は23億5,000万ドル(約2,500億円)になると見られている。もしこのリポート通りならば、今回の買収金額はスポーツ球団史上最高額になる。 昨年、ヘッジ・ファンドのオーナーのデイビッド・テッパー氏がNFLのカロライナ・パンサーズ買収のために支払った22億ドル(約2,400億円)と、2017年にティルマン・ファーティッタ氏がヒューストン・ロケッツ買収のために支払った22億ドルが、これまでの最高額だった。 中国のグローバル・インターネット会社「アリババ」の共同創業者であるツァイ氏は、昨年4月に10億ドル(約1,100億円)を投じてネッツの所有権の49%を取得した。この時の契約で、ツァイ氏は2021-22シーズンの開幕前までに13億5,000万ドル(約1,400億円)を追加で支払うことで、所有権のシェアをさらに増やすことが可能だった。今回の契約が成立すれば、ツァイ氏はプロコロフ氏の残り2シーズン分の所有権を全て買い取るだろう。 フォーブス誌は、ツァイ氏の総資産を93億ドル(約1兆円)と見積もっている。 プロコロフ氏は2010年にネッツのオーナーになった。2018年にツァイ氏が部分取得したネッツの所有権にはバークレイズ・センターの所有権は含まれていないため、アリーナは今後もプロコロフ氏の会社が所有することになる。しかし、ツァイ氏はバークレイズ・センターとナッソー・コロシアムの所有権も買収する交渉に入ったと、今年3月にNew York Postがリポートしていた。 チームのオーナーがアリーナのオーナーも兼任することをNBAが推奨しているため、今後どこかのタイミングでツァイ氏がバークレイズ・センターの所有権を買収するのは間違いないだろうと、New York Postは報じている。 今オフにケビン・デュラントとカイリー・アービングを獲得したネッツは、今後数年の間にイースタン・カンファレンスのトップチームになる可能性を秘めている。