今日は何の日 〜カナダの2チームがエクスパンション・ドラフトを行う〜

1995年6月24日、NBA史上10度目のエクスパンション・ドラフトが行われた。エクスパンション・ドラフトとは、新たなチームがリーグに加わった時に既存のチームから選手を指名し獲得できるというシステムだ。ただし誰でも指名できるわけではなく、既存のチームがプロテクトしなかった選手の中から選ぶことができる。 この年のエクスパンション・ドラフトでは既存のチームは8名の選手をプロテクト可能だったため、指名は各チームの9番手以降の選手からのみ可能だった。この年できた新たなチームとは、今年優勝したトロント・ラプターズと、今はメンフィスにフランチャイズを移転したバンクーバー・グリーズというカナダの2チームだ。 1946-47シーズン、トロントにハスキーズというチームが存在したが、1シーズンで解散してしまった。それ以来約50年振りとなるカナダをフランチャイズにしたNBAチームの誕生だった。 ドラフトに先駆け、トロントとバンクーバーはコインフリップを行なった。勝ったバンクーバーはドラフトでの高順位指名を選び、負けたトロントがこのエクスパンション・ドラフトでの優先指名権と、バンクーバーより一人多い14選手を指名する権利を得た。 トロントが1位指名したのは、シカゴでマイケル・ジョーダンと共に優勝を経験したB.J.アームストロングだったが、B.J.アームストロングはトレードを要求、結局このシーズンからゴールデンステートでプレーすることになった。トロントはドラフトでポイントガードのデイモン・スタウダマイヤーを獲得できたため、トロントでのプレーに難色を示していたアームストロングをトレードの駒に使うことが可能だったのだ。 一方のバンクーバーはスタウダマイアーより上位の6位でブライアント・リーヴスを指名、エクスパンション・ドラフトではニューヨーク・ニックスのグレッグ・アンソニーを1位指名した。このように開幕前の動きはバンクーバーの方が順調に見えたが、シーズンが始まるとトロントのスタウダマイアーが新人王を受賞する大活躍を見せた。初年度のトロントは21勝61敗、バンクーバーは15勝67敗という成績だった。

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