ポートランド・トレイルブレイザーズのジョー・クローニンGM(ジェネラルマネージャー)が、デイミアン・リラードのトレードについて成立までに数か月かかる可能性を示唆した。 ラスベガスで開催中のサマーリーグに訪れているクローニンGMは、「私が何よりも学んだことは、忍耐が重要だということ。敏感に反応してはいけない。一見問題を解決するように見えるからといって、物事に飛びついてはいけない。トレード後に最もポジティブな状況となっているチームは、衝動的に動かず、時間をかけて真面目に取り組んだり焦りを抑えてきたチームだと思う」と、焦りが失敗を招くことを強調。トレード希望を明かしているリラードの処遇について、「だからこれまでも、そしてこれからもそうしていくつもりだ。忍耐強く、チームにとって最善のことをする。それが数か月かかるものなら、数か月かける」と語っている。 クローニンGMは、リラードがトレードを要求した7月1日以来、直接会話をしていないことも明かした。 なお、これまでブレイザーズとクローニンGMはリラードを勝者にするべく、すぐに勝つための人材の補強に動いてきたという。しかし今回のメディア対応でクローニンGMは、ブレイザーズにとって最善の対応はという質問に対し、即戦力のために上位指名権を放出することありきで考えていたわけではなかったことを明かしている。 「ドラフトを通してでさえ、デイムを中心とした選手作りを常に目標にしていた。難しいのは、適切な取引を見つけることだ。直近2年のドラフト順位は7位と3位だ。勝つための選手を探してマーケットを探したが、そういう人材は手に入らなかった。シェイドン(シャープ)を指名した7位指名権も、マーケットに出回っている人材と比較するとシェイドンの方がいいという答えは明らかだった。そして今年のドラフトも同様だった。意図的ではなかったが、このチームにとって最善のことをしていただけだ。そうした状況にデイムが、勝てるチャンスががない、または他所のチームほど勝てる機会がないと考えるのも理解できる。その点では彼の立場を理解し、尊重し、そう考えた理由も納得できる」 なお、4年総額2億ドル以上の契約が残るリラードは、マイアミ・ヒート行きを望んでいるとされている。クローニンGMは、「彼の残りのキャリアがどうなるかは我々にとっても重要だ。それと同時に、チームにとって最善のことをしなければならないし、適切な取引先を見つけ、今後進むべきチームの構成を見つけなければならない。彼が望む場所に行けて、可能な限り最高の見返りが得られるような完璧な状況が見つかることを望んでいる。とても複雑だし、たいていはそううまくはいかないものだ」と語っている。 難しい舵取りを担うクローニンGMは、リラード、そしてチームにとってベストな答えを見い出すことができるか。