NCAAバスケットボールもレギュラーシーズンが終了し、3月21日からマーチマッドネスが始まっている。連日のように好ゲームやシードが低い学校が高い学校に勝つ「アップセット」が起こり熱い盛り上がりを見せているが、今日はレギュラーシーズンを終えた時点での、「NBAドラフト2019」のトップ指名候補5選手を、米国スポーツメディアの最新モックドラフト*を基に紹介してみたい。

*各社が様々な角度から推察して発表しているドラフト順位予想

※各メディアのモックドラフト順位は、レギュラーシーズン終了後の2019年3月21日時点

1位:ザイオン・ウィリアムソン/Zion Williamson

(デューク大1年生/PF/201cm・129キロ) 2018-19成績:31試合/22.5点/8.8リバウンド/1.7ブロック/FG68.4%

各メディアモックドラフト予想順位:
ESPN1位/スポーツイラストライテッド1位/CBSスポーツ1位/ブリーチャーリポート1位/フォーブス1位

今シーズンが始まってから主要スポーツメディアのモックドラフトでは常に満場一致で1位指名予想のザイオン・ウィリアムソン。シーズン前まで指摘されていたサイズ不足やシュートレンジの狭さはどこ吹く風で、圧倒的なインパクトを残しACCプレーヤー・オブ・ザ・イヤー(MVP)と新人賞をダブル受賞。

高校生時代からそのすば抜けた身体能力で度胆を抜くダンクを連発。数々のダンクシーンがSNSで拡散され一気に全米高校バスケ界のスターに。大学進学を決める際、地元サウスカロライナの大学(クレムゾン大)へ進学する事を匂わせながら、直前で、すでに2大高校スター(RJバレット、カム・レデュッシュ)が進学を決めていたデュークを選んだ事で多少の反感を買ったが、そのプレースタイルと圧倒的な支配力、無邪気な笑顔、バスケットボールに対する真摯な姿勢で、押しも押されもせぬ国民的スター選手となった。

K・デュラントに「一生に現れるか否かの選手」と言わしめ、体重がNBAの中でさえ2番目に最重量選手なのに垂直跳びは110センチを記録、インスタのフォロワー数は今や300万を超え、2月に行われたデューク対ノースカロライナ戦ではザイオン見たさにチケットが超高騰し平均転売価格が3000ドルを超えた。またその試合で膝の怪我の原因となったシューズを作っている会社(ナイキ)の翌日の株価を1200億円下げさせる程影響力を与えるなど、何もかもが規格外のザイオン。実力・人気・知名度全てで文句なしの今シーズンベストNCAAプレーヤーで1位指名は間違いない。オン・オフコート両方で絶大な「ザイオン効果」の恩恵を受けるNBAのチームがどこになるのか注目したい。

レブロン・ジェームズ

2位:ジャー・モラント/Ja Morant

(マレー州立大2年生/PG /191センチ・79キロ) 2018-19成績:33試合/24.5点/5.7リバウンド/10アシスト

各メディアモックドラフト予想順位:
ESPN3位/スポーツイラストライテッド2位/CBSスポーツ3位/ブリーチャーリポート2位/フォーブス3位

2位には、ジャー・モラントをあげたい。今シーズン開始前まで全く無名のマレー州立大の2年生が、今やシーズン前まで常に1位候補だったRJ・バレット(デューク大)を凌ぐ評価を受けているモラント。サウスカロライナ州の人口3000人程度の小さい田舎町出身。また高校に入るまで身長がわずか175センチ程度しかなかった事などから、地元では有望な高校選手だったが、スカウトの目には留まらず強豪大学からオファーは無かった。いくつかのD1中堅大学のオファーの中から、中堅カンファレンス(オハイオバレーカンファレンス)のマレー州立大を選択。しかしこの選択が功を奏し、コーチ陣やチームメイト、大学プログラムに恵まれモラント中心のチームに移行した2年生の今シーズンに才能が開花。

特にモラントの才能を全国に知らしめたのが11月26日に行われたアラバマ戦。この試合は負けたものの、38点10アシストを記録した。その上試合終盤に相手選手をごぼう抜きして決めたトマホークダンクが翌日ESPNスポーツセンターのトップ10ハイライトで1位となり、「ジャー・モラントは何者!?」と話題を呼び、そこから一気にブレーク。その後も次々とESPNのトップ10入りするダンクを連発して、人気・知名度ともに全国区に。

人気だけではなく、今シーズンNCAA全体のアシスト王、カンファレンスMVP、またNCAA歴史史上初の平均20点、10アシストを記録したプレーヤーとなるなど実力も折り紙付き。さらに平均6リバウンド近い数字も残し、その体型・プレースタイルから「R・ウェストブルック2世」の呼び声も高い。無名大学の無名選手がここまでの評価を受けるようになったのは、まるで11年前のマーチマッドネスでデビッドソン大の快進撃を支えたステフィン・カリーの再現を見ている様。1998年1位指名のマイケル・オロウォカンディ(パシフィック大)以来の、中堅と呼ばれるカンファレンスからトップ5位以内の指名は確実。謙虚で努力家なこの19歳からますます目が離せない。

レブロン・ジェームズ

3位:RJ・バレット/RJ.Barrett

(デューク大1年生/SG /201センチ・92キロ)
2018-19成績:36試合/22.8点/7.7リバウンド/4.1アシスト

各メディアモックドラフト予想順位:
ESPN2位/スポーツイラストライテッド3位/CBSスポーツ2位/ブリーチャーリポート3位/フォーブス2位

高校4年時点で「すでに完成されたスコアラー・フィニッシャー」と評価され、2019年ドラフトクラスでは常にドラ1候補として名前が上がっていたバレット。ウィングススパンの長いサウスポー、優れた身体能力と正確無比のシュート力、ペネトレーションや速攻でのフィニッシュ力に加え、優れたコートビジョンを持つなど類まれなオフェンス能力を発揮。高校時代は年間最優秀賞やマクドナルドオールアメリカンなど数々の個人賞を獲得。2018年GEICO全米高校選手権でもチームを優勝へ導く大活躍で、ドラ1候補の実力を発揮。

特にバレットを「2019NBAドラフト候補の最高選手」と言わしめたのが、母国カナダ代表として出場した2017年FIBA U-19W杯。準決勝米国戦で38点、13リバウンドで現チームメイトのC・レディッシュ擁するアメリカを下し、その後決勝でもイタリアを破りカナダを初優勝へと導く。個人としても大会MVPを受賞し、この試合以来ドラ1候補の座を不動のものにしてきたバレットだが、その当時と比べると最近の評価は下降気味。レギュラーシーズンを通してオフェンスの不安定さや3Pシュート成功率の低さ(31.3%)、コートビジョンの狭さ(オフェンスチャージのターンオーバー数がNCAA1位)、またディフェンス能力の低さも指摘されるなど、これまでの評価を悪い意味で覆してしまっている。

ただし、天性のスコアリング・フィニッシュ能力は教えてできるものではない。試合中、それでも大事なところで決める力は持っており、年齢も現時点でまだ19歳未満で伸び代は十分。NCAAトーナメントでの活躍で、レギュレーシーズンで下降した評価を少しでも取り戻せば、ザイオンとのデューク大コンビでドラフトワン・ツーフィニッシュもあり得る。

レブロン・ジェームズ

4位:ジャレット・カルバー/Jarrett Culver

(テキサステック大1年生/SG/198センチ・88キロ) 2018-19成績:18.8点/6.5リバウンド/3.8アシスト

各メディアモックドラフト予想順位:
ESPN7位/スポーツイラストライテッド4位/CBSスポーツ6位/ブリーチャーリポート7位/フォーブス4位

4位以降は評価が分かれるところだが、テキサステック大2年生のジャレット・カルバーを推したい。テキサス出身の20歳は、エースとなった2年目の今シーズンから得点(18.8)、リバウンド(6.5)でチームを牽引し、BIG12カンファレンス首位の原動力に。個人としてもBIG12プレーヤー・オフ・ザ・イヤー獲得、BIG12オールファーストチーム選出など大車輪の活躍。長いウィングスパンを活かしフロアのどこからでも得点できる能力とディフェンス力が武器で、細身だがボディコントロール、体幹が強くリバウンドが量産できるガード。加えてコートビジョンも広くアシストも上手い、正に現代のNBAに必要とされるマルチポジションをこなせるバーサタイルプレーヤー(多様性があり万能な選手)なのだ。

また登録上は198センチとなっているが、実際には203センチ近くあると言われており成長段階で、まだ身長も伸びると言われている。このままフィジカル・メンタル両面で成長し、さらに技術も磨いていけば、ポール・ジョージやケビン・デュラントのような選手になる可能性も秘めている。

一時は権威ある2大米国スポーツメディアのスポーツイラストレイテッドとブリーチャーレポートから、ザイオンとモラントに次ぐ3番目の選手という評価も受けており、バレットを抜いて3位指名もあり得るかも?ますますカルバーの動向に目が離せない。

レブロン・ジェームズ

5位:ディアンドレ・ハンター/DeAndre Hunter

(バージニア大2年生/SF/201センチ・102キロ) 2018-19成績:15.2点/5リバウンド/FG52.9%/3P44.6%

各メディアモックドラフト予想順位:
ESPN5位/スポーツイラストライテッド7位/CBSスポーツ7位/ブリーチャーリポート5位/フォーブス5位

5位には最強カンファレンスのACCで勝率1位(31勝3敗)の成績を残したバージニア大で、ACCのディフェンシブ・プレーヤー・オブ・ザ・イヤーに輝いたディアントレ・ハンター。7フィート2インチサイズ(216センチ)のウィングスパンと屈強な身体を持ちながらもクイックネスがあり、ペリメーターとポストの両方を守れる最強ディフェンダー。ディフェンスだけでなく、オフェンスも正確なミドル・3Pシュート力(成功率44.6%)があり、フィジカルコンタクトが激しいゴール下でも得点が可能。

最初の1年間をレッドシャツ*で過ごした事で、年齢的には今の3年生と同じ21歳だが、そのレッドシャツで過ごした悔しさをバネに急成長。1年間で精神力が増し、チーム方針であるディフェンス力や身体的強さもみっちり鍛えられ、フィジカル・メンタル共に成熟したNBAですぐに通用する選手との評価だ。

*1年間チーム練習や試合には帯同するが試合に出場登録されない

その頑強な身体で攻守両面で活躍する姿はあの「レブロン・ジェームズ」と比較される事もあり、これからが非常に楽しみな選手。ガードからセンターまで守れる稀有な選手で、もしヴァージニア大とデューク大がNCAAトーナメントで順当に勝ち上がれば、ガードからセンターまでプレーできるザイオンとマッチアップがファイナルで実現する。そんな期待を持ちながら、ハンターのNCAAトーナメントでのプレーとNBAドラフトを楽しみにしたい。

レブロン・ジェームズ

DJ Kim

Twitter @DJ_kim_NY

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