今回のNCAAバスケットボール基礎知識後編は、迫り来る3月のNCAAトーナメントを前に「どんな大学に注目すれば良いの」か悩めるバスケファンのために、現役NBA選手を多く輩出する大学や最近のNCAA強豪校の傾向・紹介を通して少しでも注目すべき大学を知ってもらい、「マーチマッドネス」の観戦に備えてもらいたい。

NBA選手はどの大学の出身が多いの??

表1)現役NBA選手出身大学ランキング

レブロン・ジェームズ

まず表1は、今シーズン開幕前にNBAのロスターに登録された選手の出身大学の順位である。

現在のNBAに最も多くの選手を輩出している大学は上位2大学が突出している。共に大学バスケットボールの伝説的指導者、ジョン・カリパリとマイク・シャシェフツキー率いるケンタッキー大学とデューク大学だ。

ケンタッキー大は、UCLAの11回に次ぐ8回のNCAA優勝を誇る超古豪。古くは1948年に最初の優勝を遂げ、最近では2012年にアンソニー・デイビスを擁してカンザス大を破り優勝。しかも同年のNBAドラフトでは1位(アンソニー・デイビス)・2位(マイケル・キッドギルクリスト)をケンタッキー大出身が占め、何とその年に6名もドラフト指名されるという、同年ドラフトにおける史上最多指名数の快挙を成し遂げている。(因みに2010年NBAドラフトでは1巡目でケンタッキー大出身が5名指名されている)

デューク大も古豪だが、超トップエリート校の仲間入りは、伝説のコーチ、M・シャチェフツキーがコーチに就任した1980年からがスタートで、NCAAの歴史を考えれば割と最近と言える。そのM・シャチェフツキーがコーチに就任してからは5回のNCAA優勝、12回のNCAAファイナル4を数え、1991・92年には20年間近くNCAAで成し遂げられなかった2連覇も達成。史上最高の伝説的コーチの元、現在のNCAAバスケットボールにおいては、名実ともに間違いなくナンバーワン大学と言える。

3位のUCLAは最近は少し低迷気味だが、元々はあの伝説的コーチ、ジョン・ウッデンがチームを率いて7連覇(1967〜1973)を成し遂げた歴代優勝数ナンバーワンの超強豪校(優勝回数11回)。伝説的プレーヤー、カリーム・アブドゥル・ジャバーやビル・ウォルトン、レジー・ミラーなど数多くのスーパースターを輩出し、最近ではウェストブルックやラブ、若手ではラビーンやボールなど次世代のNBAを担うスター候補たちを次々に誕生させている。

抜きん出るケンタッキーとデュークに何故エリート選手は集まるのか?

表2)直近10年のNBAドラフトトップ10位以内指名選手の出身大学

レブロン・ジェームズ

表2は、直近10年のNBAドラフトで1巡目10位以内の指名を受けたトップエリート選手の出身上位5大学だが、ここも表1と同じく上位2大学はケンタッキーとデューク。上記言及した伝説的なコーチの指導、充実した施設やプログラム、現役NBA選手とのコネクションなどのお陰で、この2校への5スター高校生リクルートたちの進学希望は常に高い。ワン・アンド・ダーンで有望フレッシュマンを1年で手放したとしても、その下から次々とトップ高校生エリートたちが進学してくるため、毎年高い競技力を維持し、常に優勝候補校に上がり続けることができるのだ。

ケンタッキー大は、2010年には1位でジョン・ウォール(現ワシントン・ウィザーズ)と5位でデマーカス・カズンズ(現ゴールデンステイト・ウォリアーズ)、2012年にはアンソニー・デイビス、そして2015年ドラフトではカール・アンソニー・タウンズが1位指名され、トップクラスのNBAヤングスターを次々に輩出している。
一方、デュークも2011年にカイリー・アービングを始め、若手期待のブランドン・イングラム(2016年2位)、ジェイソン・テイタム(2017年3位)やマービン・バグリー3世(2018年2位)を輩出するなど、この2大学は近年のNBAスーパースター候補たちの量産工場となっている。

特に、最近はSNSによる影響や、エリート高校生リクルートキャンプ・イベント(ナイキやUnder Armor主催のキャンプ・大会など)、FIBA(国際バスケットボール連盟)主催トーナメントの増加(FIBAU-17やU-19W杯)によって、全米からエリート高校生選手が集い、オン・オフライン両方で繋がる機会が以前にも増して多くなってきている。そこでお互いが仲良くなり口裏を合わせて進学先を決め合う、いわゆる「タンパリング」がトップ高校生エリート選手の間ですでに行われていると言われる。今年のデューク大に2019NBAドラフトでトップ5位以内の指名が確実と言われる選手が3名もいるのは、彼らが上記のようなイベントや大会で仲良くなり、同じ大学先へ進学する事を約束したと言われているほど。

チーム間を超えたNBA選手の「仲の良さ」が度々メディアの間で揶揄され、それが一部のチームにオールスター級選手が集中する理由だと批判されるが、これはすでに高校生の時から起こっている事。デュークやケンタッキーなど一部の大学に超A級高校生エリートが集中するこの傾向は、ワン・アンド・ダーン制度が続く限り止める事は出来ないだろう。

いよいよ本格化するNCAAバスケットボール。エリート選手を抱える上記2校に加え、NBA選手を多く輩出する表1の大学を中心にこれから来るマーチマッドネスを楽しんでみたらいかがだろうか?

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