アメリカ大学バスケットボール(以下NCAAバスケットボール)の盛り上がりをご存知だろうか。NCAAバスケットボールはその規模や強さにより3つのディビジョンに分けれらており、最もレベルが高いディビジョン1には約350校が所属している。またレギュラーシーズン終了後に行われる、アメリカの男子バスケットボール大学No.1を決める大会(通称マーチマッドネス)には、今年日本人である八村塁選手も出場したことで、日本でも注目を集めていた。マーチマッドネスの終盤(ベスト4から)はバスケットボールの競技場ではなく約70,000人を動員することができるアメリカンフットボールの会場で行われるほどの人気ぶりである。驚くことにマーチマッドネスの決勝戦にはNBAの試合が放送されないほどだ。

今回はNCAAトーナメント、ディビジョン1に属するメンフィス大、メンフィス・タイガースの試合を現地観戦した。メンフィス大出身の代表的な現役NBA選手としてデリック・ローズ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)が挙げられる。ローズの在籍中、大学はマーチマッドネスで準優勝をおさめた。(しかしその後不正を告発され、シーズンレコードと準優勝共に取り消されている。)それからというもの成績は低迷傾向にあるが、2018年3月より元NBA選手のアンファニー・ハーダウェイ(通称ペニー)がHCを務めていることもあり注目チームの一つとして知られている。まずはタイガースの練習場をのぞいてみよう。

メンフィス・タイガース練習場

外観をご覧頂ければわかるように、大学の設備とは思えないほど豪華なつくりである。ウォルマート創業者のご氏族を妻に持つ者がかつてタイガースに所属していたことから、多大な寄付を受けることができ、この建物が建設されたそうだ。

レブロン・ジェームズ
(アンファニー・ハーダウェイHCの現役時代の功績や写真が明記されていた)

最新の設備が整っているこの練習場は、メンフィス・グリズリーズの対戦相手の練習場として使用されることがあるそうだ。

試合観戦

タイガースのホームはグリズリーズと同じフェデックス・フォーラムだ。試合の際にはコートがタイガース仕様に変更される。

レブロン・ジェームズ
(メンフィス・タイガース仕様のコート)
(試合中の様子)

こちらは試合中の様子だが、お分かりいただけるだろうか。平日に開催された試合であるにも関わらず、スタジアムの8割程度が観客で埋め尽くされていた。

試合前やタイムアウトなどではチアリーダーによるダンスや吹奏楽による生演奏、マスコットキャラクターの登場で、終始会場は盛り上がっていた。日本で言うところの甲子園のような様子だった。

(メンフィス大のマスコットキャラクター)

またグッズの種類も豊富であり、フェデックス・フォーラムの中のグッズショップはたくさんの人でにぎわっていた。

(グッズショップの様子)

NBAのチームは各地域にあるわけでも、チケットが安価なわけでもないため、観戦することは安易ではない。それに対してNCAAバスケットボールは地域密着かつチーム数が多いためファンがつきやすい傾向にある。老若男女問わず多数のファンがチームを応援する団結力は想像以上であった。その熱量はファンの歓声や装い、集客率などから実感できた。

またNCAAバスケットボールが人気なもう一つの理由として、未来のNBAスターの存在が挙げられる。近年NBA入りを果たす者の大半がディビジョン1の大学出身だ。つまり自分の応援するチームからNBA選手が誕生する可能性が非常に高いのだ。そんな未来のスターたちを育てる感覚で親近感を持って応援できるのもNCAAバスケットボールの最大の魅力である。

4月9日(日本時間)に幕を閉じた今年のマーチマッドネスはバージニア大学が大学史上初の優勝を果たした。八村塁選手が率いるゴンザガ大学はベスト8進出という結果で幕を閉じた。

また4月16日(日本時間)、八村選手は2019年6月21日(日本時間)に行われるNBAドラフトへのエントリーを表明した。既に日本人初ドラフト一巡目でのNBA入り間違いなしとされている八村選手はいったいどのチームに入団するのだろうか。

八村選手を筆頭に今年もNCAAバスケットボールから多くのスターが誕生し、NBAという世界最高峰の舞台での活躍が期待されている。このようにNCAAトーナメントを経てNBAドラフト、そしてNBAという流れで観戦するのも楽しみ方の一つだ。

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