キャリア晩年を迎えてはいるものの、未だに根強い人気を持っているのがカーメロ・アンソニーだ。全盛期は圧倒的なスコアラーとしてNBAで活躍し、五輪などの国際大会では無双することから『オリンピック・メロ』という言葉まで生まれるほどだ。

プロフィール

カーメロ・アンソニー
生年月日:1984年5月29日
出生地:ニューヨーク州ブルックリン
身長:203センチ
体重:108キロ
所属:フリーエージェント
背番号:15/7
ポジション:SF /PF
ニックネーム:メロ、フーディー・メロ

プエルトリコ人の父、アフリカ系アメリカ人の母を持つアンソニー。父は彼が2歳の頃に癌で亡くなっており、8歳のときにメリーランド州ボルティモアに移住。決して治安が良いところではなく、暴力や薬物から逃れるのにスポーツは大きな助けとなった。

1999年の夏、アンソニーは身長が5インチ(12.7センチ)伸び、196センチのウィングとして高校で活躍。12年生(日本の高校3年生)のときにバスケットボールの名門であるバージニア州のオーク・ヒル・アカデミーに転校し、32勝1敗の成績に導く。ジョーダン・ブランド・クラシックや、マクドナルド・オールアメリカン・ゲーム(高校のオールスター戦)などで活躍し、その名は一気に全国区になっていった。

シラキュース大学で正真正銘のワン&ダン

高校卒業後、ビッグイースト・カンファレンスに所属するニューヨーク州のシラキューズ大学に進学。1年生にして平均22.2得点、10.0リバウンドと活躍し、チームをNCAAトーナメント進出へと導いた。さらにNCAAトーナメント決勝ではのちにNBAで活躍するカーク・ハインリックとニック・コリソンを擁するカンザス大学と対戦し、20得点、10リバウンドの活躍で見事シラキュース大学史上初の全米制覇を達成。NCAAトーナメント最優秀選手に選ばれ、NCAA新人王にも輝いている。

当初は2、3年大学でプレイする予定だったものの、やるべきことをほとんど1年生にしてやってしまったことから、2003年のNBAドラフト入りを表明。この1年生にしてチームを優勝に導き、NBA入りという夢のようなキャリアに憧れを持つ選手は今でも多く、日本にも来日したボストン・セルティックスのケンバ・ウォーカーもインタビューで好きな選手を聞かれると、アンソニーの名前をあげている。

リーグ屈指のスコアラーとして活躍

2003年のNBAドラフトではデンバー・ナゲッツが全体3位でアンソニーを指名。この年のドラフトは全体1位でレブロン・ジェームズ、4位でクリス・ボッシュ、5位でドウェイン・ウェイドといったスター選手を多く輩出しており、アンソニーもそのひとりだった。

デビューからわずか6試合目でアンソニーは30得点を獲得し、コービー・ブライアントに次いでNBA史上2番目に若い30得点達成選手となった。ルーキーシーズンでは平均21.0得点を記録し、満票でNBAオールルーキー1stチームに選出、新人王の投票ではジェームズに次ぐ2位となった。

ナゲッツでの8シーズン目となる2010-11シーズンの2月に、アンソニーはニューヨーク・ニックスにトレードされる。これまで着用していた背番号15がニックスではレジェンド選手であるアール・モンローとディック・マグワイアの永久欠番であるため、アンソニーは7番を着用。

ニックスでは2012-13シーズンにリーグ得点王となる平均28.7得点を記録し、プレイオフではイースタン・カンファレンス・セミファイナルまで勝ち進んだ。

カーメロ・アンソニーのプレイ

カーメロ・アンソニーと言えばジャブステップ。ジャブステップと言えばカーメロ・アンソニー。こう言っても過言ではないくらいアンソニーのプレイを思い浮かべると、彼がウィングやポストの1オン1でジャブステップを使って相手から得点している姿が見える。

相手と正対した状態から、細かく足を突き出し、ドライブのフェイクを仕掛けるジャブステップ。アンソニーはこれを駆使した形からの得点が得意で、ステップからのジャンプショット、ジャンプショットと見せかけてドライブといった、多彩な形で得点を重ねる。

メロのジャブステップを分析してみよう。

そんなジャブステップを自身の息子に教えるメロの様子はこちら。

アンソニーをリーグ屈指のスコアラーとして評価する声は多い。実際に大量得点を重ねており、レギュラーシーズンで40得点以上を記録した試合が36試合もある。キャリアハイは2013-14シーズンのニックス時代で、シャーロット・ボブキャッツ(現ホーネッツ)相手にホームのマディソン・スクエア・ガーデンで62得点を叩き出した。

オリンピック・メロ

アメリカ代表としてのカーメロ・アンソニーの実績は長く、2002年の段階でジュニア世界選手権にアメリカ代表として出場し、銅メダルを獲得。2004年にはレブロン・ジェームズ、ドウェイン・ウェイド、アレン・アイバーソンといった選手たちとともにアテネ五輪に出場。しかし1992年以来3大会連続で金メダルを獲得していたアメリカ代表は、この年準決勝でアルゼンチンに負け、銅メダルに終わってしまう。なおアメリカに勝利したアルゼンチンは決勝でイタリアに勝利し金メダルを獲得している。

苦い五輪デビューとなってしまったアンソニーだが、その後2008年の北京五輪、2012年のロンドン五輪、2016年のリオ五輪に全て出場し、3大会連続で金メダルを獲得した。

五輪では31試合に出場し、平均16.8得点を記録。リオ五輪ではアメリカ代表史上最多得点者の称号を獲得している。

カーメロ・アンソニーの現状

2017年のオフシーズンにアンソニーはオクラホマシティ・サンダーにトレードされ、ラッセル・ウェストブルックとポール・ジョージとのビッグスリーを結成。1シーズンをプレイするものの、ボールタッチは減り、キャリアで初めて平均20得点を下回った。

2018年のオフシーズンにサンダーはアンソニーをアトランタ・ホークスにトレード。ホークスとのバイアウトに合意したアンソニーは、ヒューストン・ロケッツと1年のベテラン最低年俸で契約。しかしわずか10試合に出場しただけで、チームとのフィットの問題などから11月には構想外となり、未出場が続いた。

2019年1月にようやくロケッツはアンソニーをシカゴ・ブルズにトレード。ブルズではプレイしないまま、2月に解雇されており、現在もフリーエージェントとして未所属が続いている。

カーメロ・アンソニーの通算成績

受賞歴

・NBAオールスター 10回(2007、2008、2010-2017)
・オールNBA2ndチーム 2回(2010、2013)
・NBA得点王 1回(2013)
・NBAオールルーキー1stチーム(2004)
・NCAA優勝(2003)
・NCAAファイナルフォーMVP(2003)
・USAバスケットボール男子年間最優秀選手 3回(2006、2008(チームとして受賞)、2016)
・五輪金メダル 3個(2008、2012、2016)

年代別成績

・2003-04 ナゲッツ 82試合出場、平均21.0得点、6.1リバウンド、2.8アシスト、FG 42.6%、3P 32.2%
・2004-05 ナゲッツ 75試合出場、平均20.8得点、5.7リバウンド、2.6アシスト、FG 43.1%、3P 26.6%
・2005-06 ナゲッツ 80試合出場、平均26.5得点、4.9リバウンド、2.7アシスト、FG 48.1%、3P 24.3%
・2006-07 ナゲッツ 65試合出場、平均28.9得点、6.0リバウンド、3.8アシスト、FG 47.6%、3P 26.8%
・2007-08 ナゲッツ 77試合出場、平均25.7得点、7.4リバウンド、3.4アシスト、FG 49.2%、3P 35.4%
・2008-09 ナゲッツ 66試合出場、平均22.8得点、6.8リバウンド、3.4アシスト、FG 44.3%、3P 37.1%
・2009-10 ナゲッツ 69試合出場、平均28.2得点、6.6リバウンド、3.2アシスト、FG 45.8%、3P 31.6%
・2010-11 ナゲッツ/ニックス 77試合出場、平均25.6得点、7.3リバウンド、2.9アシスト、FG 45.5%、3P 37.8%
・2011-12 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、3.6アシスト、FG 43.0%、3P 33.5%
・2012-13 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、2.6アシスト、FG 44.9%、3P 37.9%
・2013-14 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、3.1アシスト、FG 45.2%、3P 40.2%
・2014-15 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、3.1アシスト、FG 44.4%、3P 34.1%
・2015-16 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、4.2アシスト、FG 43.4%、3P 33.9%
・2016-17 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、2.9アシスト、FG 43.3%、3P 35.9%
・2017-18 ニックス 55試合出場、平均22.6得点、6.3リバウンド、1.3アシスト、FG 40.4%、3P 35.7%
・2018-19 ロケッツ 10試合出場、平均13.4得点、5.4リバウンド、0.5アシスト、FG 40.5%、3P 32.8%

年俸推移

・2003-04 ナゲッツ $3,229,200
・2004-05 ナゲッツ $3,471,360
・2005-06 ナゲッツ $3,713,640
・2006-07 ナゲッツ $4,694,041
・2007-08 ナゲッツ $13,041,250
・2008-09 ナゲッツ $14,410,581
・2009-10 ナゲッツ $15,779,912
・2010-11 ニックス $17,149,243
・2011-12 ニックス $18,518,574
・2012-13 ニックス $19,450,000
・2013-14 ニックス $22,407,474
・2014-15 ニックス $22,458,000
・2015-16 ニックス $22,875,000
・2016-17 ニックス $24,559,380
・2017-18 サンダー $26,243,760
・2018-19 サンダー→ホークス $25,534,253
・2018-19 ロケッツ→ブルズ $2,393,887

NBAスポーツライター 大西玲央

アメリカ・ニュージャージー州生まれ。インターネット・雑誌・テレビ等の媒体で活動。記事のライティング以外にもNBA解説、翻訳、同時通訳なども行なっている。2017年には書籍『コービー・ブライアント 失う勇気 最高の男になるためさ!』(東邦出版)を翻訳。3年前からNBAの取材をスタートし、その英語力を活かし数々のNBA選手のインタビューや通訳をしている。

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