シアトル・ストームのフォワードのブリアナ・スチュワートが、今シーズンのWNBA MVPを受賞した。今シーズン、スチュワートはリーグ2位の平均得点を記録し、ストームを勝率1位に導いた。 スチュワートは、フェニックス・マーキュリーとのプレーオフ・セミファイナル第1戦の前にMVPを授与された。彼女はMVP投票で合計372ポイントを獲得し、2位のリズ・キャンベージ(ダラス・ウィングス)の合計231ポイントを大きく引き離しての受賞となった。彼女は、全39票の1位票のうち33票を獲得している。MVP投票の3位はワシントン・ミスティックスのエレナ・デレドンで、4位はロサンゼルス・スパークスのキャンディス・パーカーだった。 試合前、スチュワートは以下のようなコメントを残している。 「今まで自分が獲得してきた賞には、それぞれに大きな価値があります。ですが、世界最高のリーグであるWNBAのMVPは、その中でも最高の賞です。この球団、チーム、そしてチームメイトと共にMVPを獲得できて本当に嬉しいです。」 スチュワートは2016年に新人王を受賞しているが、彼女のプロフェッショナル・キャリアで最高のシーズンは、間違いなく今シーズンだ。ストームをレギュラーシーズン1位の26勝8敗という好成績に導いたスチュワートは、今シーズンは22試合で20得点以上を記録しており、 1試合平均21.8得点8.4リバウンドという成績を残している。 ストームの選手がMVPを受賞するのは、ローレン・ジャクソン(3度受賞)以来のことだ。スチュワートは、今月上旬にAP通信が選ぶ最優秀選手賞も受賞している。 昨年、スチュワートは、幼少期に性的虐待を受けていたことを告白している。彼女はRAINN(Rape, Abuse and Incest National Network)と共同して性的虐待の問題に取り組んでおり、King County Sexual Assault Resource Centerのメンバーとも面会している。 この取り組みについて、スチュワートは以下のようにコメントしている。 「今年は、非常に辛い出来事を乗り越えることができた1年でした。それは、自分の人生に向き合うことでした。全ての成功を可能にするには、自分を苦悩から救ってくれる周りの人々の助けと、自分の痛みを力に変える勇気と信念を持つことが大切なのです。」 最近では、スチュワートは有権者登録の啓蒙にも取り組んでいる。彼女は、プレーオフ・セミファイナル第1戦のためにカスタム・シューズを作り、今年11月の選挙に多くの若者が投票に参加するよう呼びかけた。 こういった様々な取り組みについて、スチュワートは以下のように語っている。 「私にとって、今年は内省と変化の年です。『#MeToo』の活動、平等を訴える活動、自分の主張を明らかにすること、良い試合をすること、といった全てが私の人生に絡み合っているのです。私は、国全体が一体となって、こういった活動ができるようになることを望んでいます。」 この日は、ストームのナターシャ・ハワードのMIP賞(最も成長した選手に与えられる賞)受賞と、同じくストームのスー・バードのスポーツマンシップ賞受賞も発表されている。