ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズは、“キング”の異名にふさわしい勲章を新たに手にした。10月11日(日本時間12日)に行われたマイアミ・ヒートとのNBAファイナル第6戦を106-93で制し、フランチャイズ17回目の優勝に貢献。35歳にしていまだ、現代NBAの頂点に君臨していることを自らのプレイで証明してみせた。 優勝に王手をかけて臨んだ第6戦、ジェームズは両チームトップとなる28得点、14リバウンド、10アシストとプレイオフ通算28回目(マジック・ジョンソンに次ぐ歴代2位)のトリプルダブルを達成。史上3位タイとなる通算10回目のファイナルで、シリーズ平均29.8得点、11.8リバウンド、8.5アシストを記録し、自身4度目のファイナルMVPに輝いた。
ジョン・サリー、ロバート・オリーに次いで異なる3チームで優勝を果たしたが、そのすべてでファイナルMVPに輝いたのはジェームズが史上初。『NBA.com/Stats』によれば、異なる優勝達成3チームでプレイオフ平均25得点以上を記録している唯一の選手となり、レギュラーシーズンとファイナルのMVP受賞4回も“神様”マイケル・ジョーダンに次ぐ数字となった。 『AP通信』のティム・レイノルズ記者は、ジェームズの今ポストシーズン計580得点、184アシストという成績に着目し、「35歳でこの数字に到達したのはほかに誰もいない」と“超人ぶり”を高く評価している。 また、ウェスタン・カンファレンス決勝で対戦したデンバー・ナゲッツのマイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)が、「レブロンがあの年齢でやっていることは注目に値する。攻守両面でどれだけの影響を与えるか、そして勝利への執念は信じられない」とジェームズに脱帽したコメントをレイノルズ記者は紹介。そして、ファイナルで死闘を繰り広げたヒートの大黒柱ジミー・バトラーも、「なぜ彼がトッププレイヤーなのか、キャリアでレガシーを残してこられたのか、証明していると思う」と賛辞を述べていたという。 もっとも、ジェームズ自身は優勝の喜びを噛み締めつつも、レイカーズの主力としてだけでなく、NBAの旗頭としてのプライドも覗かせた。 「俺は自分のレガシーについて考えながら人生は送っていない。俺がコート外ですることは、コート上よりも意味のあることなんだ。俺にとっては、どのように次世代を鼓舞するかが最も重要なことさ」 今年12月に36歳を迎えるが、ジェームズはまだまだ“キング”としてリーグを牽引していきそうだ。