マイアミ・ヒートは今季、2013-14シーズン以来となるNBAファイナル進出を果たした。2012年、2013年のリーグ2連覇に貢献したレジェンドのクリス・ボッシュは、古巣がこれほどまでの快進撃を見せるとは思っていなかったようだ。 『Miami Herald』のアンソニー・チャン記者とのインタビューの中で、ボッシュはこのように語っている。 「今シーズンのイースタン・カンファレンスでは、ボストン・セルティックスが安定した強さを見せていた。もちろん、ヤニス・アデトクンボ擁するミルウォーキー・バックスにも注目が集まっていたし、シーズンの途中からはトロント・ラプターズもかなり調子を上げてきた」 ヒートの永久欠番(1番)にもなっているボッシュだが、古巣のファイナル進出は率直に「驚いた」という。ただ一方で、新型コロナウイルスの影響でシーズンが中断となり、バブル(隔離地域)という特殊な環境で再開となったことは、ヒートにとって優位に働いたと語る。 「もし『ヒートがファイナルに進出すると思っていたさ』と言う人がいたら、それは嘘をついていると思う。だが、私はヒートが他のチームにとって厄介な存在になることは確信していた。シーズンが中断し、バブルで再開することになったため、すべてのチームがトレーニングキャンプからやり直すことになった。こういった状況だと、綿密な準備を行うエリック・スポールストラHC(ヘッドコーチ)やヒートのような球団が強みを発揮する。彼らはバブルに来て自分たちの仕事をした。ジミー・バトラーはチームを引っ張り、他の選手も全力を尽くした。彼らは自分たちのペースで快適にプレイしたんだ」 バトラーを軸に、バム・アデバヨ、タイラー・ヒーロー、ケンドリック・ナンら若手が融合したヒート。ロサンゼルス・レイカーズ相手に優勝こそ叶わなかったが、2019-20シーズンのNBAで最もサプライズを起こしたチームの一つとして記憶に残るだろう。