ミネソタ・ティンバーウルブズがジミー・バトラーをフィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)にトレードしたと、ESPNのエイドリアン・ウォジナロウスキー記者とザック・ロウ記者が報じた。 このトレードにより、ティンバーウルブズはロバート・コビントン、ダリオ・シャリッチ、ジェリッド・ベイレス、そして2022年の2巡目指名権をシクサーズから受け取り、その見返りとしてバトラーとジャスティン・パットンを放出した。 ウォジナロウスキー記者とロウ記者は、「シクサーズは、次のオフシーズンに29歳のバトラーに長期契約をオファーすることも視野に入れているようだ。だが、現時点では両者の間で契約交渉をすることは禁じられている」とコメントしている。 今年のトレーニングキャンプが始まる数日前に、バトラーはティンバーウルブズにトレードを要求していた。その当時、彼はブルックリン・ネッツ、ロサンゼルス・クリッパーズ、ニューヨーク・ニックス、ヒューストン・ロケッツ、マイアミ・ヒートといったチームを移籍先の希望として挙げていた。最終的に、彼はシクサーズでベン・シモンズとジョエル・エンビードと共にプレーすることとなった。 現地11月11日現在、シクサーズは8勝6敗でイースタン・カンファレンスの5位につけている。 チームが5連敗を喫した後、トム・シボドー球団社長兼HC(ヘッドコーチ)と球団は、遂にバトラーと共存することに見切りをつけた。 今年9月にトレード要求をして以降、バトラーはトレーニングキャンプとプレシーズンゲームのほとんどを休んだ。彼は今シーズンの開幕戦に先発として出場し、31分間プレーして23得点という活躍を見せたが、その後、彼はしばしばコーチやチームメイトやフロントと衝突したとのリポートもある。 シクサーズへのトレードが決まる前、ティンバーウルブズのオーナーのグレン・タイラー氏とバトラーとの間で「トレードが決まるまではプレーを続ける」という約束が交わされていたという。タイラー氏は、Star Tribuneの取材に対し「現在、スコット・レイデンGM(ゼネラルマネージャー)が他チームにトレード交渉を持ちかけている最中だが、トレードが決まるまでは彼は我がチームの選手だ」とコメントしていた。 シーズン開幕前の最後の練習後、バトラーは、現状のロスターで全力を尽くすことを誓うべく以下のようなコメントをしていた。 「俺はコート上で全力でプレーすることをチームから求められている。俺は健康だし、闘争心に満ち溢れている。俺はそういう人間だからね。俺は、チームメイトにもそうであってほしいと願っている。」 10月上旬には、ティンバーウルブズとヒートとの間でバトラーのトレードが成立間近との情報もあったが、このトレード話は成立直前にご破算になった。当時、ヒートはバトラーの行き先としては最適なチームだと言われていた。このトレードの噂が囁かれていた間、バトラーの交換相手としてジョシュ・リチャードソンの名前がしばしば挙がっていた。 4度のオールスター出場歴を誇るバトラーは、昨シーズン、ティンバーウルブズで59試合に出場して1試合平均22.2得点5.3リバウンド4.9アシスト2スティールという成績を残した。彼は今年2月に右膝を手術したため、昨シーズンは21試合欠場している。また、彼は7月に右手にも簡単な手術を行なっている。 来シーズンのバトラーの契約はプレーヤーオプションだが、彼がそのオプションを破棄して来オフにフリーエージェントになることは確実と見られている。ティンバーウルブズのオールスター・ビッグマンのカール・アンソニー・タウンズの契約も今シーズンで切れるが、彼はトレーニングキャンプ中にチームと複数年の大型延長契約を結んでいる。 7月上旬には、バトラーが、ティンバーウルブズから提示された4年1億1000万ドル(約120億円)の延長契約オファーを断ったというニュースが流れた。バトラーは、2018-19シーズンからチームメイトのアンドリュー・ウィギンズのサラリーが1年あたり2500万ドル(約28億円)にハネ上がり、ウィギンズ1人のサラリーだけでチームのサラリーの20%を占めるようになることに不満を持っていたと言われている。 2017年のオフシーズンに、バトラーは、クリス・ダン、ザック・ラビーン、ラウリー・マルッカネンらとの交換でシカゴ・ブルズからティンバーウルブズに移籍してきた。バトラーは若いティンバーウルブズを牽引し、47勝35敗という成績でチームを14年ぶりのプレーオフに導いた。だが、プレーオフでは1回戦でロケッツに1勝4敗で敗れている。