今季のポストシーズンでは、タイリース・ハリバートン(インディアナ・ペイサーズ)、ジェイソン・テイタム(ボストン・セルティックス)、デイミアン・リラード(ミルウォーキー・バックス)の3人がアキレス腱断裂という大怪我を負った。こうした事態に、アダム・シルバー・コミッショナーはすでに専門家委員会を招集し、調査していたことを明かした。『AP通信』が伝えている。 先述の3人以外に、レギュラーシーズンではペイサーズのジェームズ・ワイズマンとアイザイア・ジャクソン、ニューオーリンズ・ペリカンズのデジョンテ・マレー、マイアミ・ヒートのドリュー・スミスがアキレス腱を負傷した。 シルバーは2023-24シーズンにはアキレス腱断裂は一件もなかったと語った。 「タイリースが負傷する前から、すでに専門家委員会を招集していた。今季は7件発生した。昨年はまったく同じ状況下で0件だった。1シーズンで最も多かったのは4件だ」 こうした負傷の増加はシーズンが長すぎるのが原因と指摘する声もあるが、シルバーは否定。若い選手たちのトレーニング方法や、選手たちがオフにどれだけハードにトレーニングしているかが、身体に過剰な負担をかけているのではないかと考えている。 「過去10年間を振り返ると、アキレス腱損傷の大部分はオールスターブレイク前に発生している。試合数だけが原因とは言い切れない。ご存知のように、現代のNBA選手たちは試合のない夏の間に、週に3試合をこなすシーズン中よりもハードにトレーニングしていることがある」 またシルバーは、アキレス腱損傷が多発した原因の手がかりを探るため、AIを活用していると明かした。 「より多くのデータを調べ、パターンを調べるために、AIが役立つことを期待している。AIは多くの分野を変革すると言われているが、AIの能力によって選手が出場したすべての試合映像を取り込み、アキレス腱損傷につながるような、これまで気づかなかったパターンを検出できる可能性がある。我々は今の事態を非常に深刻に受け止めているんだ」