日本時間6月26日(現地25日)に行なわれたNBAドラフト2025では、1巡目5位の指名権を持つユタ・ジャズがエース・ベイリー(ラトガース大学)を指名した。しかし、ドラフト前にベイリーのエージェントはトップ5位以内の指名権を持つチームに対して、ベイリーを指名してほしくない意向と、もし指名されてもチームに合流しない意向を示していたようだ。『ESPN』が報じている。 ベイリーはドラフト前にジャズでワークアウトを行なっていなかった。指名後、ベイリーは「コントロールできるのは自分がそうできることだけ。自分はバスケットボールに集中し、彼ら(エージェント)は自分たちの仕事をする。だからこういうことが起きる」と語っている。 ベイリーがドラフト前に複数のチームでワークアウトに参加しなかったことは、話題となっていた。一風変わった戦略とも言われていたが、エージェントは「すべてのチームがシカゴで彼がワークアウトするのを見た。彼は18回のインタビューをこなし、メディカルチェックも受けた。彼が走り、ジャンプするのを見た。彼の身体測定値も得た」と説明。さらに、「デイビオン・ミッチェルがトロント・ラプターズとのワークアウトをキャンセルした時、誰も何も言わなかった。エバン・モーブリーがクリーブランドでワークアウトをしなかった時も、誰も批判しなかった。それでも彼らはモーブリーをドラフトした。ベイリーのドラフト前のプロセスは、決して珍しいものではない」と、特に問題はなかったと話している。 ドラフト前は上位3位以内での指名が噂されていたベイリーだが、ドラフト前にこうした動きをしていたのは6位指名権を持つワシントン・ウィザーズへ行きたかったからと言われている。昨年ウィザーズは、1位指名権を持っていたアトランタ・ホークスとのワークアウトを拒否したアレックス・サーを2位で獲得していた。ウィザーズはウィングの層が薄く、ベイリーがすぐに活躍できそうな環境が整っているだけに、理想的な行き先だったのかもしれない。 しかし、ジャズは以前からベイリーの獲得を画策していた。今季はリーグ最下位に甘んじたものの、ロッタリーで1位指名権はおろか、上位4位以内の指名権を得られず。しかし先述の通りベイリーが上位指名権を持つチームへの入団を断るような雰囲気を出していたこともあって、上位4チームは指名をパス。そしてジャズにそのチャンスが訪れた。 希望したチームではなかったものの、心機一転、前評判通りの活躍でチームの再建を推し進めることができるか。