日本時間5月11日(日)、ミネソタ・ティンバーウルブズとゴールデンステイト・ウォリアーズによるウェスタン・カンファレンスセミファイナルの第3戦が行われる。 第1戦ではウォリアーズが18本の3ポイントを決めて勝利。続く第2戦ではウルブズが逆に16本の3ポイントを成功し、3選手が20点を超え。バランスの良い攻撃に加え、ウォリアーズを今季プレイオフ最少の93点に抑えるディフェンスで下しイーブンに戻した。ウォリアーズの本拠地チェイス・センターに移動しての第3戦。1勝1敗のイーブンから抜け出し、シリーズを優位に進めるのは果たして…。
昨シーズン、20年ぶりにカンファレンス・ファイナルへと進出したウルブズは今季49勝33敗、ウェスト6位でプレイオフに進出した。プレイオフ1回戦では八村塁を擁する同3位のロサンゼルス・レイカーズを4勝1敗で撃破し、カンファレンス・セミファイナルへと駒を進めた。 チームを牽引するのが2020年ドラフト全体1位の23歳、アンソニー・エドワーズだ。5年目を迎えた次代のスーパースターは今季、リーグ4位の平均27.6点と自慢の得点力にさらに磨きがかかっている。中でもプルアップジャンパーでの得点はリーグ2位の11.3点で昨季(8.3点)と比べ3.0点増加。さらに3ポイント成功数はリーグ最多の320本を数えるなど年々プレイの幅が広がり、進化を続けるエドワーズを抑えることは至難の技となってきている。
プレイオフに入ってからドライブ数が増加(13.2→17.3)するなど、積極的な仕掛けが光るエドワーズ
今季エドワーズが30点以上挙げた試合は20勝6敗と大きく勝ち越していることからも、若きエースの出来がチームの勝敗に直結していることは言うまでもないだろう。ただ、プレイオフでは直近3戦連続で25点を下回っており、ウォリアーズとの第1戦では前半にフリースローのわずか1点に抑え込まれるなど、各チームの対策に手を焼いている。さらに第2戦では第2クォーター途中に足を負傷。幸い後半にはコートに復帰して20点を記録したが、第3戦でのパフォーマンスに影響があるか気になるところだ。
一方、48勝34敗、ウェスト7位でレギュラーシーズンを終えたウォリアーズ。今季はシーズン途中に、大舞台で無類の強さを発揮し“プレイオフ・ジミー”の異名を取るジミー・バトラーをトレードで獲得し、3年ぶりのNBA制覇に向けチームを作り上げてきた。プレイイン・トーナメントでメンフィス・グリズリーズを、プレイオフ1回戦では第2シードのヒューストン・ロケッツを第7戦までもつれる激闘の末撃破し、カンファレンス・セミファイナルへと進出してきた。 カリー、ドレイモンド・グリーン、バトラーを中心としたプレイオフでの豊富な経験値を武器に下克上を狙うが、ウルブズとの第1戦でカリーが負傷交代。その後の検査で左ハムストリングの肉離れが判明し、第2戦に続きこの第3戦も欠場が確実視されている。 カリー不在の影響はオフェンス面で特に顕著に現れる。今季カリーのオンコート時にはオフェンシブレーティング(100ポゼッションあたりの得点)が118.4なのに対し、カリーのオフコート時には105.0と大幅に低下。カリー自身の得点力はもちろんのことながらオフボールの動きでも味方のチャンスを作り出せる引力は替えの効かない大きな武器であり、ウォリアーズにとっては相当の痛手となることは間違いない。 それでもスティーブ・カーHC(ヘッドコーチ)は「最高の選手がいなくても試合に勝つために何が必要かを理解する必要がある」と残ったメンバーの奮起に期待するコメントを残した。その言葉通り第1戦では、バディ・ヒールドが5本の3ポイントを決めるなどチーム最多の24点をマーク。その他選手も攻守において自分たちの役割を遂行し、苦境を乗り越え勝利を掴んだ。第2戦こそ、チームの3ポイント成功率はわずか28.1%と抑え込まれたが、経験豊富なメンバーが揃うだけにその修正能力に期待したい。
ロケッツとの第7戦でも33点と、ビッグマッチでチームを救ってきたヒールドにかかる期待は大きい
今季の直接対決はウォリアーズの4勝2敗(レギュラーシーズン&プレイオフ)。ただカリーの怪我、エドワーズの不調などもあり、ベンチメンバーを含めた総合力が勝敗を左右する大きなファクターとなるだろう。若きエースが率いるウルブズ、経験値で勝るウォリアーズ、注目の第3戦から目が離せない。
なお、この第3戦は兵庫県神戸市の「GLION ARENA KOBE」で開催するイベント『NBA PLAYOFFS パブリックビューイング in GLION ARENA KOBE』にて放映します。詳細は以下のリンクをご参照ください。