ベイエリアのテクノロジー投資家であるビル・チザムが、ボストン・セルティックスを61億ドルで買収することに合意した。北米のスポーツフランチャイズとしては、NFLワシントン・コマンダースに支払われた60億ドルを上回る史上最高額である。『ESPN』のシャムズ・シャラニア記者が第一報を報じた後、現在のオーナーグループがチザムへの売却合意を認めている。 なお、NBAにおけるこれまでの最高額は、マット・イシュビアがフェニックス・サンズ買収時に支払われた40億ドルだった。 チザムは、「ノースショアで育ち、ニューイングランドの大学に通った私は、ずっとセルティックスの熱狂的なファンだった。私はセルティックスがボストンにとってどれほど重要であるかを理解している。このチームが地域社会で果たす役割は、国内の他のどの都市とも異なる。私はまた、組織のリーダーとしてボストンの人々に対する責任があることを理解しており、この挑戦に立ち向かう準備ができている」と声明を発表した。 現在のオーナーグループの中心人物であるウィック・グルースベックは、「ビルは素晴らしい人物であり、ボストン地域で生まれ育った真のセルティックスファンだ。彼がセルティックスの重要性を理解し、地域社会に完全にコミットしながらコートで勝利することに情熱を燃やしていることを私は知っている。簡単に言えば、彼は素晴らしいオーナーになりたいんだ。彼は私に最初の3年間、CEO兼ガバナーとしてチームを運営し、彼のパートナーとして留まるように頼んできた。私は喜んでそうする」と、チザムをサポートすることを明かしている。 正式な売却はNBA理事会の承認が必要となるが、恐らく問題ないと見られている。 昨季王者のセルティックスはジェイソン・テイタム、ジェイレン・ブラウンなどリーグ有数の戦力を多数抱えている。今後数年にわたって上位を狙えるチームだが、そうした戦力を維持し続けるには当然高額なコストもかかってくる。 ブラウンの新契約は今季から、テイタムも来季からMAX契約がスタートする。さらに来季はドリュー・ホリデーに3240万ドル、クリスタプス・ポルジンギスに3070万ドル、デリック・ホワイトに2870万ドルを支払い、アル・ホーフォードとルーク・コーネットはフリーエージェントになる。来季の総年俸とラグジュアリータックスは4億5000万ドル以上に膨らむと予想する声もあるのだ。 セルティックスは、2002年に投資家グループであるボストン・バスケットボール・パートナーズによって3億6000万ドルで購入された。昨年夏に売りに出されたのは、20%の株式を所有していた90歳になるウィックの父が売却を強く求めていたと報じられている。