マーベリックスのニコ・ハリソンGMがトレードに関して会見 「私が正しいかどうかは時間が経てば分かるだろう」

日本時間2月3日(現地2日)、ダラス・マーベリックスはロサンゼルス・レイカーズ、ユタ・ジャズを絡めたトレードでルカ・ドンチッチを手放す決断を下した。この大型トレードを断行した理由について、マーベリックスのニコ・ハリソンGM(ジェネラルマネージャー)は「カルチャー」の重要性を説いている。 クリーブランド・キャバリアーズ戦前に会見を開いたハリソンGMは、「新たな章を始めるにあたり、(ジェイソン・キッドHC)と私がこのチームに来て以来、私たちが作りたいビジョンとカルチャーを持っていることを知っておくことが重要だと思う」と口を開いた。 「私たちが連れてくる選手たちは、それを体現していると信じている。私たちはディフェンスがチャンピオンシップを勝ち取ると考えており、リーグで最高の2ウェイプレイヤーの1人を連れてきた」 マーベリックスは今回のトレードで、アンソニー・デイビス、マックス・クリスティー、2029年ドラフト1巡目指名権を手に入れた。デイビスとクリスティーはディフェンスに定評があり、ハリソンGMの考えるカルチャーを体現するのに適していたのだろう。それでも、昨季チームをNBAファイナルへと導いた生え抜きの大黒柱を放出したことに、各方面から否定的な声も聞こえてくる。 それでもGMとなって4年間、トレード期限日前には大型トレードを断行してきたハリソンGMは、「明確にしておきたいのは私が決断を下したことであり、キッドHCはそれを支持している。つまり、私が決めたことだ。我々が行なうすべてのことには多くの努力を注ぎ込み、研究し、再研究し、そして振り返る。私はこのことの重大さを理解している」と、自信を持って下した決断であることを強調した。 「私にとって最も簡単なのは何もしないこと。そうすれば、私が何もしなかったことをみんな褒め称えるだろう。しかし我々は今回のトレードが正しかったと信じている。そして、私が正しいかどうかは時間が経てば分かるだろう」 『ESPN』はマーベリックスがドンチッチのコンディショニングについて懸念を示していたと報じている。そのため会見では、ドンチッチがマーベリックスの築こうとするカルチャーに合わないのがトレードの理由かと問われたものの、ハリソンGMは「私はどの選手の悪口も言うつもりはない」と断りを入れつつ、「カルチャーに合う選手もいれば、入ってきてカルチャーを付け加える選手もいる。そして今回我々が迎え入れる選手たちはカルチャーを付け加えてくれると信じている」と語った。 またハリソンGMは、今回のトレードが「チームをより良くするため」であるのと同時に、ドンチッチの契約状況も考慮したと言及している。ドンチッチは今季終了後、5年3億4500万ドルのスーパーMAX契約にサインする資格があり、関係者によるとドンチッチはその契約に合意する見込みだったという。しかし今回、マーベリックスは最終的にトレードを選択。これによってドンチッチはスーパーMAX契約の資格を得られなくなり、今夏レイカーズと結べる最大の延長契約は5年2億2900万ドルとなった。 今回のトレードに関して、ハリソンGMはレイカーズ以外のチームとは交渉しなかったこと、デイビス獲得が一番の目標であったことを明かしている。また、レイカーズが1月8日(同7日)にダラスへ来ていた際に、レイカーズのロブ・ペリンカGMとコーヒーを飲みながら話し合いを始め、その後の数週間で議論が進展したと説明。ハリソンGMは「2人だけの秘密にした」と語った。 「我々はこのアイディアを厳重に管理しなければならなかった。キッドHCはこれについて知らなかったが、キッドHCと私は足並みを揃えている。我々は選手のタイプについて話し合い、作りたい文化について話し合っている。だから実際に彼と話さなくても、彼がどんなタイプの選手が好きかを分かっている」 2019-20シーズンのレイカーズでアシスタントコーチを務めていたキッドHCは、「最後の最後まで」トレードについて知らなかったと語った。 「少しショックだけど、前に進まなければならない。ルカがマーベリックスにとってどんな存在であったかは理解しているし、彼と彼の家族がLAでベストを尽くせるよう祈っている。でも、僕らは前に進まなければならないし、それができるチームであると信じている」 なお、マーベリックスのファンはSNSやホームアリーナのアメリカン・エアラインズ・センターの外で講義を示しているものの、ハリソンGMは「彼らが不満に思っていることは申し訳なく思うが、これは組織として我々が信じていること。今回のトレードは我々をより良くしてくれる。我々は、これが現在だけでなく将来においても勝利に繋がると信じている。そして、我々が勝利すれば、不満は解消されると信じている」と語った。 「彼(デイビス)は我々の時間軸に合致している。もし彼をカイリー(アービング)や他の選手たちと組み合わせれば、今、そして将来勝つための時間軸にぴったり合う。私にとっての未来とは3~4年後のことだ。10年後の未来はわからない。その頃には、私と(キッド)はいなくなっているかもしれない。もしくは、我々自ら去っているかもしれないね」

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