フィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)は日本時間1月13日(現地12日)、ダウンタウンに新アリーナを建設するプロジェクトを撤回することを決定したという。『AP通信』が伝えた。 シクサーズは現在、ウェルズ・ファーゴ・センターをホームアリーナとしているが、NHLのフィラデルフィア・フライヤーズも本拠地として使用しており、NBAのオーナーたちは、2031年までに「76 Place」と呼ばれる場所への移転を望んでいた。 市の中心部に13億ドル(約2050億円)のアリーナを建設するプロジェクトは2年以上の議論の末、近隣のチャイナタウン住民や他の活動家らが試合日に交通渋滞や地域の高級化や家賃の高騰を懸念して反対する中で、昨年12月に市議会で承認投票が実施された。承認を受けていたが、わずか数週間でアリーナを建設しない決定がなされ、驚きの声が上がっている。 フィラデルフィアのシェレル・パーカー市長は、推進してきたこのプロジェクトを「歴史的な経済発展計画」と称し、再開発が思うように進んでいなかった市全体が恩恵を受けるだろうと述べていた。 市議会のジミー・ハリティ氏は『フィラデルフィア・インクワイアラー』に対し、「まるで自分が駒として利用されたように感じる。今、私は怒り狂っていて、何をすればいいのかさえ分からない」と困惑の色を見せている。 なお、ウェルズ・ファーゴ・センターを所有するコムキャスト・スペクテイターは、現時点でノーコメントを貫いている。