ニューヨーク・ニックスは、今夏のFA(フリーエージェント)市場でカイリー・アービング(セルティックス)とケビン・デュラント(ウォリアーズ)獲得を狙っていると大々的に報じられてきた。 しかし、アービングはブルックリン・ネッツと相思相愛にあるといわれ、またアキレス腱を断裂したデュラントが来期を全休する可能性がある今、ニックスは方向転換を余儀なくされるだろう。 「The Undefeated」のマーク・J・スピアーズ記者は、ニックスがアービングやデュラントの他にもカワイ・レナード(ラプターズ)、ケンバ・ウォーカー(ホーネッツ)、トバイアス・ハリス(シクサーズ)など、多数のFAに興味を示していると報じた。 スピアーズ氏によると、中でも特に注目なのがニューオーリンズ・ペリカンズのビッグマンであるジュリアス・ランドルだという。なぜなら、情報筋によればニックスとランドルは互いに興味を示しているというからだ。 一方、ニックスのスティーブ・ミルズ球団社長は、組織のビジョンに賛同してくれる大型FAを引き付けるために全力を尽くすと語っており、また関心があるFA選手と積極的に会う計画を立てているという。 ニックスは2人分のマックス契約のために十分なキャップスペースを有しているが、ミルズ氏は来期のためだけに長期的な再建計画を犠牲にするような大型契約はせず、スーパースターの獲得が見込めない場合は地道にヤングコアを育て上げるとも語っている。 そうなった場合、ランドルはニックスにとって興味深いターゲットとなるだろう。キャリアベストとなった昨期、ランドルは平均21.4ポイント、8.7リバウンド、シュート成功率52.4%を記録。このまま順調にシュートが改善されていけば優秀なペリメーターシューターとして成長する可能性も高い。 このことから、ニックスはミッチェル・ロビンソン、デニス・スミスJr、ケビン・ノックスや今年ドラフトされたR・J・バレットらヤングコアにランドルを追加し、長期的な若手の育成を図ることが予想されている。また、ニックスが無理に大型FAを追求する代わりにランドルのようなプレーヤーの獲得を目指すことは、金額面だけでなく、今後のロスター再建に柔軟性をもたらすといったメリットもある。 一方、ランドルの昨季の活躍を考慮すると他球団も彼の獲得に名乗りをあげることになるだろう。もしニックスがアービングやデュラント獲得の代替案としてランドルの追求を考えているのであれば、こちらもそう簡単ではないようだ。 文:ビタラフ アドル