昨季、八村塁を擁するロサンゼルス・レイカーズが初代王者に輝いたインシーズン・トーナメント。2年目を迎えた今季は、エミレーツNBAカップと名前を変えて30チームがしのぎを削ってきた。映えある2代目王者を目指し、日本時間12月18日(水)にミルウォーキー・バックスとオクラホマシティ・サンダーによる決勝戦が行われる。
ウェスタン・カンファレンスから決勝へと進んだサンダーの特徴は、なんといってもその若さだ。今季開幕時のロスターの平均年齢は24.148歳で、NBAで最も若いチームとなった。しかし、その実力に疑いはなく、レギュラーシーズンでは現在20勝5敗と、ウェスト1位の戦績(57勝25敗)でフィニッシュした昨季以上のペースで勝ち星を積み重ねている。そんな若手軍団を牽引するのは、26歳の司令塔兼エースである“SGA”ことシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだ。高いボールハンドリング力から繰り出すドリブルは変幻自在で、相手守備を切り裂きリーグ4位の平均30.3点を記録。第2の得点源である3年目のジェイレン・ウィリアムズとともに、50%を超えるフィールドゴール成功率を誇り、サンダーの効率的なオフェンスの軸となっている。 また、チームとしてはリーグトップクラスのディフェンス力が最大の強みだ。今季ここまでディフェンシブレーティング(103.1)、スティール数(12.2本)、被3ポイント成功率(33.1%)、ペイント内失点(41.8点)など多くのディフェンス指標でリーグ1位の数字を叩き出している。守備職人アレックス・カルーソやフィジカルの強さが魅力のルーゲンツ・ドートなど、ペリメーターディフェンス陣の強固な守備をこじ開けるのはどんなチームであっても容易ではない。
懸念があるとすればインサイドだ。11月に守護神であったチェット・ホルムグレンが右骨盤を骨折して長期離脱が決定し、負傷離脱後はディフェンシブレーティングが悪化(100.3→105.1)。そしてバックスには、インサイドで圧倒的な強さを誇っているヤニス・アデトクンボに加え、ブルック・ロペス、ボビー・ポーティスといった経験豊富なビッグマンが揃っている。相手の強力なインサイド攻撃に対抗するためには、NBAカップ準決勝でも身体を張ったディフェンスで貢献したアイザイア・ハーテンシュタインの奮起は必須。チーム全体で守り、アレクサンダーとウィリアムズが要所で決める。そんなサンダーらしい展開に持ち込むことができれば、優勝にグッと近づくはずだ。
一方、イースタン・カンファレンスから決勝へと進んだバックスは、昨季のリベンジに燃えている。昨季のNBAカップでは準決勝まで駒を進めるも、インディアナ・ペイサーズ相手に惜しくも敗れた。今季は6戦全勝、30チームで唯一バックスだけが負けを喫していない。 レギュラーシーズンでは開幕後2試合目から6連敗を経験するなど、なかなか本来の調子を出せなかったが、直近12試合で10勝を挙げるなどチームにも勢いが戻ってきた。この間好調なのが3ポイントで、42.3%という高確率で決めてチームの勢いをさらに加速させている。
注目は“怪物”アデトクンボと、デイミアン・リラードの強力デュオだ。ここまでアデトクンボはリーグ得点王の座(32.7点)を独走。ファストブレイク得点(6.3点)、ペイント内得点(21.5点)でもリーグ1位と、持ち前のアタック力を存分に見せつけている。リラードもリーグ10位の25.7点をマークし、さらに直近10試合ではリーグ3位となる42本の3ポイントを成功させている。インサイドで持ち味を発揮するアデトクンボと、長距離砲の爆発力が魅力のリラード。2人のオフェンスバランスの良さは、相手にとって非常に脅威となっている。強力デュオの個の力で、リーグトップのサンダーディフェンスを攻略することがバックスの勝利には必要不可欠だろう。 今季両チームは初対決。若き才能が揃うサンダーか、20-21シーズンにはNBAチャンピオンにも輝いた経験豊富なバックスか。2代目王者に輝くチームがいよいよ決定する!
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