カイル・コーバーが古巣に戻って再出発する。 クリーブランド・キャバリアーズは、NBA史上最高の長距離シューターの1人であるコーバーをユタ・ジャズにトレードし、その見返りとして、今シーズンが契約最終年のアレック・バークスと将来のドラフト2巡目指名権を2つ獲得した。このトレードは、現地11月29日の午後に両チームから正式に発表された。 今回のトレードに際し、キャバリアーズのコビー・アルトマンGM(ゼネラルマネージャー)は「カイルのコート上での活躍は広く知られている。だが、それ以上に、カイルは人格者であり良きチームメイトだった。彼は、全ての面で模範的な人間だった。彼の練習熱心さ、人柄、そして信頼性は非常に高いレベルであり、それこそが、我々がいつも彼に敬意を払い感謝する理由でもある。ソルトレイクシティーに戻るカイルと彼の家族の幸運を祈っている」という声明を発表している。 このトレードを最初に報じたのはESPNのエイドリアン・ウォジナロウスキー記者で、その後に複数のメディア媒体が続いた。 コーバーの見返りとして、キャバリアーズはジャズが保有していた2020年のドラフト2巡目指名権と、ワシントン・ウィザーズが保有していた2021年のドラフト2巡目指名権、そして今シーズンで契約が切れるバークスを獲得している。契約最終年の選手のトレード価値は高いため、今シーズンのサラリーが1120万ドル(約13億円)のバークスは、トレードデッドライン(シーズン中にトレードできる最終期日)までに更にトレードされる可能性がある。 同28日のオクラホマシティー・サンダー戦に敗れたキャバリアーズの今シーズンの成績は4勝16敗になった。シーズン開幕時点では、彼らは若手を育成して再びプレーオフに進出つもりでいた。しかし、相次ぐ怪我人とヘッドコーチの解任により、彼らはチームを再建する方向にシフトする決断をした。そこで、彼らはコーバーを放出することにしたのだ。 キャバリアーズは、トレード価値の高いコーバーとJR・スミスのトレード先を模索していた。スミスは、今シーズンに入ってから自分の役割が減っていることに不満をあらわにし、自らトレードを要求してチームを離れていた。 2007年から2010年までジャズでプレーした37歳のコーバーは、古巣に戻ることになる。ジャズは、同28日のブルックリン・ネッツ戦には勝利したものの、今シーズンここまでのところ10勝12敗と思うように勝てていない。しかし、長距離シューターのコーバーがフロアーを広げることができれば、スター選手のドノバン・ミッチェルやルディ・ゴベアらのオフェンスが今以上に楽になるはずだ。 コーバーは、キャリア通算で2238本のスリーポイントシュートを成功させている。これはNBA歴代4位にランクする記録であり、現役選手の中では最多の数字だ。 27歳のバークスは、ここ数シーズンは相次ぐ怪我に悩まされてきた。今シーズン、彼は1試合平均15.8分間のプレーで平均8.4得点を記録している。