フィラデルフィア・76ers(以下シクサーズ)がトレードでジミー・バトラーを獲得したというニュースが流れたのは、現地11月10日のシクサーズ対メンフィス・グリズリーズの試合前のことだった。 ベン・シモンズは、グリズリーズに敗戦を喫した試合後のインタビューで、このトレードについて以下のように語っている。 「チームメイトがトレードされるのは悲しい事ではあるが、これはビジネスであり、フロントはチームが勝つために彼を獲得した。俺達はジミーを歓迎するし、彼とプレーすることを楽しみにしている。」 シモンズは、この日の早い時間にバトラーと連絡を取り合い、今後のチームの方向性について話したそうだ。 「俺も、ジミーも、ジョエル・エンビードも『負けたくない』という共通の信念を持っている。だから、俺達は負けると激怒するし、とにかく勝利を求めるんだ。得点できて、ベテランのリーダーシップもあり、経験もあるバトラーなら、すぐにシクサーズにフィットするはずだ。このチームのポリシーは、チームとして協力しあってプレーし、ハードにプレーし、そして勝利を掴むことだ。彼なら、きっとそれができるはずだ。」 エンビードはまだバトラーとは話していないようだが、ミネソタ・ティンバーウルブズでバトラーとチームメイトだったカール・アンソニー・タウンズとアンドリュー・ウィギンズとは、今回のトレードについて語り合ったそうだ。 その時の話の内容を、エンビードは以下のようにコメントしている。 「彼らは、バトラーの獲得はシクサーズとって良い補強だと考えているようだ。それに、俺達とバトラーがきっと上手くいくとも考えているようだった。バトラーは勝利を渇望しているからね。ウィギンズは、『きっとシクサーズがイーストを制するはずだ』と言っていたよ。」 バトラーの獲得は、シクサーズにとって必ずしも良い面ばかりではない。彼らは、長年チームを支えてきたダリオ・シャリッチとロバート・コビントンと別れを告げることになったのだ。 エンビードは、シャリッチとコビントンを失うことについて以下のように語った。 「ダリオとコビントンがいなくなって悲しいよ。ここ数年間、彼らはチームに多くの事をもたらしてくれた。俺達はお互いに協力しあって良いプレーができていたと思う。ダリオは自分のプレーを取り戻したし、コブ(コビントン)はファーストチーム・オール・ディフェンスに選ばれ、要所でシュートを決めてくれた。俺達は本当に上手くプレーできていたんだ。だが、これはビジネスだ。前に進むしかない。彼らのことが大好きだ。彼らの幸運を祈ってる。彼らがいなくなって悲しいよ。彼らとは今後も連絡を取り続けようと思っているよ。」 バトラーが加入することで、シクサーズのオフェンスのボール回しに支障が出るのではという懸念があるが、その点ついて、エンビードとシモンズは一切心配していないようだ。 エンビードは、「彼はオフェンス面でチームのプラスになるし、それ以上にディフェンス面でかなりの助けになるはずだ。俺達のチームのオフェンス・システムはボール回しが重要になっている。ボールが全員の手に渡るシステムだから、誰か1人が加入したからといって俺やベンがボールを持つ時間が減ることはないだろう。俺達なら上手くやれるはずだ。バトラーは、きっとこのチームにフィットするはずだ。彼がどこまでチームを引っ張り、どこまでチームを良くしてくれるのか、楽しみにしている」と自信を覗かせている。 また、シモンズも、「バトラーが加入しても俺のプレースタイルは何も変わらない。俺は自分のプレーを知っているからね。俺は、自分が何が得意なのか知っているし、コートの上でどうプレーしたら良いか知っている。バトラーはこのチームに貢献し、得点を決め、ベテランの経験によってチームを正しい方向に導いてくれるはずだ」とコメントしている。