日本時間5月10日（土）、オクラホマシティ・サンダーとデンバー・ナゲッツによるカンファレンス・セミファイナルの第3戦が行われる。 昨季はともにこのカンファレンス・セミファイナルで、涙を飲んだ両チーム。ここまでは1勝1敗のイーブンで、デンバーに移動しての第3戦を制して一歩抜け出すのは…。
今季リーグ最高勝率でレギュラーシーズンを終えたサンダーと、2シーズン前のNBA王者ナゲッツのマッチアップ。チームを牽引するのは、ともにシーズンMVPの最終候補に名を連ねる大エースだ。 サンダーのシェイ・ギルジャス・アレクサンダー（以下SGA）は、リーグ屈指のスコアリングガードとして今季1試合平均32.7点で自身初の得点王を獲得。リーグ最多4度の50点超えを記録するなど、圧巻の得点力でチームを導いてきた。最大の特徴はドライブで、今季は1試合平均20.6本のドライブを仕掛け、そこから15.5点を獲得。これはともに3年連続リーグトップの数字で、相手ディフェンスからすると分かっていても止められない強力な武器となっている。 プレイオフでは最初の3戦こそFG成功率が40%を切るなど本調子とはいえない状態にあったが、直近4戦連続で30点超え。ここまで6戦で平均29.7点（リーグ3位）をマークしており、ナゲッツとの第2戦では80%を超えるFG成功率を残すなど、徐々にその調子を上げてきている。
鋭いドライブからファウルを誘いフリースローを獲得するのもSGAの大きな強み
対してナゲッツのニコラ・ヨキッチも、今季NBA史上3人目となるシーズントリプルダブルを達成するなど充実のシーズンを送ってきた。ナゲッツというチームにおいて、ヨキッチの存在は計り知れないほどの影響力がある。今季ヨキッチがオンコート時のネットレーティング（100ポゼッションあたりの得失点差。スタッツは全て5月8日時点のもの）が＋10.5なのに対し、オフコート時には-9.3とチームの様相は一変する。欠場時に4勝8敗と負け越していることからも、ヨキッチがいかにこのチームの勝敗の鍵を握っているかが分かる。 プレイオフに入っても、9戦中3戦でトリプルダブルを記録。サンダーとの第1戦では42点、22リバウンドのモンスタースタッツを残し、敵地での大事な初戦を勝利に導いた。どちらがチームに勝利をもたらすプレイをみせるのか、至高のエース対決に注目だ。
SGAを中心に、3年目のジェイレン・ウィリアムズ（平均21.6点）ら強力なオフェンス力に注目が集まるサンダーだが、実は強さの根源はディフェンスにある。 216cmの守護神チェット・ホルムグレン、タフなディフェンダーのルーゲンツ・ドート、今季ブルズから加入した守備職人アレックス・カルーソといった面々を擁し、リーグトップのディフェンシブレーティング（106.6）をマーク。ディフレクション（21.1）、ルーズボール獲得数（5.7）、チャージングを誘った回数（0.77）もリーグトップと、チーム全体でディフェンス意識の高さがうかがえる。
シリーズ第2戦ではヨキッチもFG成功率37.5％の17点、6ターンオーバーとサンダーの堅守に苦戦
プレイオフではレギュラーシーズンに比べ、ディフェンス強度が一段階上がることからロースコアな展開になりやすくディフェンスに強みのあるチームが勝ち上がる傾向にある。サンダーはプレイオフでもディフェンシブレーティング（101.1）、スティール（11.2）、ブロック（7.7）はリーグトップをマークするなど強固な守備力は健在で、勝ち進む要素は十二分に備わっていると言えるだろう。ナゲッツとの第２戦でも20個のターンオーバーを誘発し、そこから34点を挙げるなど持ち味を発揮しシリーズをイーブンに戻した。 最大14点ビハインドからアーロン・ゴードンの劇的な逆転3ポイントでナゲッツが勝利した第１戦。序盤から気迫のプレイで走りプレイオフ記録となる前半87点を挙げ、反撃の機運を全く作らせない圧勝劇でサンダーがリベンジを果たした第２戦。次戦はどのような展開が待っているのか、シリーズの行方を左右する重要な一戦は見逃せない。
なお、この第3戦は兵庫県神戸市の「GLION ARENA KOBE」で開催するイベント『NBA PLAYOFFS パブリックビューイング in GLION ARENA KOBE』にて放映します。詳細は以下のリンクをご参照ください。