レギュラーシーズンも最終盤の3月末、メンフィス・グリズリーズはテイラー・ジェンキンスHC(ヘッドコーチ)を解任するという荒療治を断行した。勝率5割を上回りポストシーズン行きはほぼ決定という状況だっただけに、この一報は驚きをもって迎えられた。これまでトップアシスタントコーチだったトゥオマス・イーサロが、暫定HCとしてチームを率いることとなった。 このフロントの決断には、グリズリーズの選手たちも意表を突かれたという。ジェンキンスHC解任後初の試合となった日本時間3月30日(現地29日)に行なわれたロサンゼルス・レイカーズ戦後、ジャ・モラントは「ただただ辛い」と心境を吐露した。『The Athletic』のウィリアム・ギロリー記者が伝えている。 「辛いよ。ここに来てからずっとテイラーコーチがいたからね。グリズリーズのジャージーを着て成し遂げてきたことは、ほとんど彼の下でのことだ。バスケを始めてから今まで、コーチが去るのは初めて。処理することがたくさんあった。タイミング的にも、ただただ辛い。すぐに気持ちを切り替えなければいけなかった」 ジャレン・ジャクソンJr.も「驚いたよ。彼はここにいる間、素晴らしい影響を与えてくれた。彼は他の場所でも最も求められるコーチの1人になるだろう」と、今後のキャリアでも成功するとの見方を示した。 またデズモンド・ベインは、ジェンキンス前HC解任後に選手たちで集まりミーティングを開いたという。 「ありのままの感情をすべて吐き出してほしかった。すべてを出し切れば本当に前進できるから。才能のあるグループだから、まだ特別なことができると伝えた。(暫定HCの)トゥオマスは本当にクレバーで、彼がやろうとしていることに賛同すべきだ」 なお、イーサロ暫定HCはもっと速いペースでプレイさせること、ハーフコートではモラントのピック&ロールをもっと増やしたいと考えているという。グリズリーズは44勝30敗と貯金14ながら、直近10試合で4勝と負け越している。イーサロ暫定HC限られた時間の中で立て直し、残り8試合でポストシーズンに向けたいい流れを作るという大仕事を成し遂げることができるか。