ボストン・セルティックスのジョー・マズーラHC（ヘッドコーチ）は、就任3年目ながら数々の実績を残している。1年目の2023年にはNBAオールスターゲームでヘッドコーチを務め、2年目の昨季は優勝を経験。今季もチームはイースト2位と、2連覇も十分狙える位置につけている。 そんな36歳の若き指揮官がリスペクトしているのが、サッカーのマンチェスター・シティを率いるペップ・グアルディオラ監督だ。シティで7度プレミアリーグ優勝、バルセロナで3度ラ・リーガ優勝、バイエルン・ミュンヘンで3度ブンデスリーガ優勝、さらに監督キャリアを通して3度チャンピオンズリーグ優勝を果たしている名将だ。 そんなペップとマズーラHCは、2024年のNBAファイナル第1戦の直前に会話していた。その時のエピソードについて、マズーラHCがポッドキャスト番組『Men in Blazers』で明かしている。 「彼から最も学びたかったことは、『優勝する前はどんな感じなのか？』ということ。最初の優勝に伴う課題は何なのか。そして優勝した今はどんな感じなのか。彼はそれらをすべて経験しているからね。『なるほど、これを長く続けるなら、何を期待し、どう適応し、どう見ればいいのか』という素晴らしい視点を与えてくれたんだ」 マズーラHCは、ペップの優勝へのプロセスを参考にしようとしたという。 「もちろんペップのような監督には到底及ばないけど、我々は似たようなキャリアのスタートを切っている。彼はバルセロナのBチーム、私はGリーグのメイン・セルティックスにいた。そして、彼らは簡単に大物監督を選べたのに、経験のないベンチに座っている男を選んだんだ」 マズーラHCは、「彼の戦術能力、最高の選手たちを管理する能力を見てほしい。どのスポーツでもコーチの能力を測るのはそこだと思う。私が本当に学びたいと思った部分なんだ」と、称賛の言葉が止まらず。こうして他競技のコーチからも学ぼうとする姿勢が、成功をもたらしている要因のひとつなのだろう。