9月26日、シカゴ・ブルズなどで活躍したデリック・ローズが、自身のソーシャルメディアアカウントを通してNBAから引退することを発表した。投稿されたメッセージの中でローズは、バスケットボールへの想いを「初恋」と称して感謝を綴っている。 「良い時も悪い時も君は僕を信じ、物事に確信を持てなかった時にはいつも支えになってくれた」 「僕がどんな人生を送ろうと、君はもう僕の一部だと常に安心させてくれたし、もう『さよなら』を言ってもいいと教えてくれた。僕はずっと君のものだ」 シカゴ出身のローズは2008年のドラフト1位で地元チームであるブルズに指名されNBA入り。その驚異的な身体能力でルーキーイヤーからエースとして活躍し、新人王を受賞。そして3年目の2011年には平均25点、7.7アシストを記録してチームをリーグトップの62勝20敗に導くと、NBA史上最年少記録の22歳でレギュラーシーズンMVPに輝いた。なお、この記録は今も破られていない。
若くしてスターダムを駆け上がるも、その後は怪我がローズの前に壁となって立ちはだかる。2012年のプレイオフで左ヒザ前十字靭帯断裂すると、翌シーズンを全休。復帰後も右ヒザ半月板断裂や足首の負傷など、怪我に悩まされた。 2016年には、8年過ごしたブルズからニューヨーク・ニックスへトレード。その後はクリーブランド・キャバリアーズ、ミネソタ・ティンバーウルブズ、デトロイト・ピストンズ、再びニックス、そして最後のシーズンとなった昨季はメンフィス・グリズリーズとチームを転々と渡り歩いた。 ローズは15年のキャリアで723試合に出場し、平均17.4点、3.2リバウンド、5.2アシストを記録。ウルブズ時代の現地2018年10月31日のユタ・ジャズ戦で、キャリアハイの50点を挙げるなど、キャリア終盤は身体能力に頼らないプレイスタイルで復活を印象づけたが、直近3シーズンでは合計77試合の出場と怪我の影響でなかなかコートに立てなかった。 ローズの引退を受け、これまでに所属したチームは一斉に感謝のメッセージをSNSに投稿。キャバリアーズで共にプレイしたレジェンドのドウェイン・ウェイドが「NBA史上最も爆発力のある選手の1人」と称賛するなど、多くのNBA選手もローズの引退に反応している。